増加する空き家を資産活用へ!不動産投資の基礎と成功するためのポイントとは?

(一社)全国古家再生推進協議会 理事長 大熊重之です。

皆さん、こんにちは。現在、日本全国には900万戸を超える空き家が存在しており、その数は今後も増加すると見込まれています。少子高齢化や人口減少に伴い、使われなくなった住宅が放置されることで、景観や治安、災害リスクなど、さまざまな社会問題を引き起こしています。

しかし、この「空き家問題」を単なる負の側面として捉えるのではなく、「資産活用」「資産運用」の視点から見ると、大きなビジネスチャンスが眠っているとも言えるのです。実際に、空き家を再生し、賃貸物件や宿泊施設などに活用することで、低リスク・高利回りの投資として注目を集めています。

この記事では、空き家を活用した不動産投資の基本的な考え方から、初心者が成功するための具体的なポイント、そして専門資格「古家再生投資プランナー」の魅力までを詳しく解説していきます。資産運用を始めたいと考えている方、不動産投資に興味はあるけれど一歩が踏み出せない方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

空き家の現状とその影響

日本における空き家の増加

日本の空き家数は、2023年時点で900万戸を超え、住宅全体の約14%に相当します。これは、少子高齢化による人口減少、都市部への人口集中、そして相続後の管理放棄などが主な原因です。

特に地方では若年層の都市部流出が進み、空き家率が30%を超える地域もあります。加えて、空き家の多くが築30年以上の老朽化した建物であることから、放置されることで倒壊リスクや火災の危険性が高まっています。

空き家が地域に与える影響

空き家が放置されることで発生する影響は多岐にわたります。まず、見た目の劣化により地域の景観が損なわれ、不審者の出入りや不法投棄が増加することで治安の悪化を招きます。

さらに、空き家の放置は周辺の不動産価値を引き下げ、住民の移住意欲にも悪影響を及ぼします。相続によって取得された空き家は、相続人が遠方に住んでいたり、管理コストが高いと感じていたりすることで放置されるケースが増加しています。

空き家を資産運用するメリット

収益化の可能性

空き家を収益化する手段には、賃貸、民泊、売却、リノベーションによる再販などさまざまな選択肢があります。特に賃貸運用では、地方でも月額5万円以上の安定収入を得ることが可能です。初期投資を抑えられる点も大きな魅力です。

ただし、物件ごとに収益性や維持コストが異なるため、事前にリスク分析を行い、必要な対策を講じることが重要です。たとえば、雨漏りや配管トラブルなど予期せぬ修繕が発生する可能性を見越し、予備費を確保しておくと安心です。

資産価値の維持・向上

空き家を定期的に管理・修繕することで、建物としての価値を維持しやすくなります。さらに、リフォームや設備の改善を行うことで資産価値を高めることができ、将来的な売却時に有利となるケースもあります。

また、固定資産税に関しても、管理状況や用途変更によって優遇措置を受けられる場合があります。たとえば、更地にすると住宅用地の特例が失われて税額が高くなるケースもあるため、継続的な保有や賃貸による活用は節税にもつながります。

資産としての空き家を長期的に運用することで、個人資産の安定化と形成を図ることが可能になります。

空き家の活用方法

賃貸物件としての活用

空き家を賃貸住宅として活用する際には、まず地域の賃貸市場をしっかりと調査することが重要です。近隣の家賃相場や需要動向を把握し、競争力のある賃料設定を行うことで、安定した入居率を確保できます。

また、借り手のニーズに応じたリフォームや設備導入もポイントです。ファミリー向けであれば駐車場の有無や子育てに適した環境、単身者向けであれば家具家電付きの対応など、ターゲットに合わせた工夫が求められます。

民泊やシェアハウスの運営

観光地や大学近郊では、民泊やシェアハウスとしての運営も収益化の有効な手段です。地域の需要を事前にリサーチし、自治体の条例や届け出の有無も確認しておきましょう。

運営に不安がある場合は、専門の管理会社に委託することで、清掃・鍵管理・予約対応などの負担を軽減できます。さらに、住民トラブルを防ぐためのルール設定や、近隣住民への配慮も欠かせません。

商業施設やコミュニティスペースへの転用

空き家を商業施設や地域の交流拠点として再生する事例も増えています。カフェ、レンタルオフィス、アートギャラリーなど、地域に根差したニーズを掘り起こし、ユニークなリノベーションを施すことで新たな価値を創出できます。

リノベーションを行う際は、費用対効果や施工計画の明確化が重要です。補助金や自治体支援制度を活用することで、初期コストの負担軽減も図れます。

空き家を売却する選択肢

市場での売却方法

空き家を市場で売却する場合、まず地域の不動産市場の動向を調査し、相場を把握することが大切です。売却価格を適正に設定するためには、不動産会社や査定サイトを活用して複数の査定を取ることをおすすめします。

また、売却には仲介手数料や税金、解体費用などの諸費用が発生するため、これらを含めた収支計画を立てておくと安心です。売却後のトラブルを避けるためにも、瑕疵の有無や契約内容を明確にしておきましょう。

不動産業者を通じた売却

信頼できる不動産業者を選定することで、スムーズかつ安心な売却が実現します。業者の選び方としては、実績や評判、過去の販売事例を参考にし、複数社を比較することがポイントです。

契約時には媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)を確認し、自分に合った方法を選びましょう。また、販売戦略や広告の方法についても業者と綿密に打ち合わせを行うことで、より高値での売却を目指すことができます。

空き家活用に関する制度と補助金

空き家バンクの活用

空き家バンクとは、自治体が管理する空き家の情報を集め、購入希望者や賃貸希望者とマッチングを行う制度です。地域における空き家問題の解決と、移住促進、地域活性化を目的に広く活用されています。

この制度を利用するには、自治体の空き家バンクに登録された物件情報を確認し、所定の手続きを経て利用希望者と所有者をつなぐ流れになります。手続きは自治体ごとに異なりますが、物件見学や契約前の面談などが設けられていることが多く、トラブルを未然に防ぐ工夫がなされています。

空き家バンクを活用することで、地域とのつながりを持ちながら、安心して空き家の活用を始めることが可能となります。

リフォーム補助金の利用

空き家を再活用する上で、リフォーム費用の負担は大きな課題のひとつです。そこで活用したいのが各自治体や国が提供する「リフォーム補助金」です。

補助金の種類は、老朽化対策、省エネ改修、バリアフリー化など目的に応じて複数あり、対象となる工事や金額、申請方法も異なります。補助金を受けるには、事前に申請が必要であり、申請書や見積書、施工計画書の提出を求められることが一般的です。

この制度を利用することで、改修費用の軽減が図れるだけでなく、より高品質なリフォームを実現しやすくなります。節税効果も期待できるため、資産価値を維持・向上させるためにも積極的に活用することが望まれます。

空き家運用の注意点

適切な管理と維持の重要性

空き家を運用する上では、定期的な管理とメンテナンスが極めて重要です。建物の劣化を放置すれば資産価値の低下につながり、修繕費がかさむ原因にもなります。具体的には、屋根・外壁・配管の点検や、通風・換気の管理、防犯対策などが必要です。

また、自身で管理するのが難しい場合には、信頼できる管理会社に委託するという選択肢もあります。長期間の運用を見据えて、持続可能な管理体制を構築することが、安定した資産運用には欠かせません。

法律や規制の理解

空き家運用に際しては、建築基準法や都市計画法、特定空き家に関する条例など、さまざまな法律や規制を理解しておく必要があります。特に、老朽化した物件を改修・再建築する際には、接道義務や建蔽率・容積率の制限などに注意が必要です。

また、固定資産税の優遇措置が受けられる条件や、所得税・住民税の控除制度についても把握しておくとよいでしょう。税務署や自治体の窓口で相談することも重要です。法律を知らずに運用を進めると、思わぬトラブルや経費増につながるため、事前に専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。

空き家投資の未来

今後の市場動向

日本の空き家市場は今後も拡大が見込まれます。高齢化の進行、単身世帯の増加、人口減少などにより、空き家はさらに増加し、2040年には1300万戸を超えるという推計も存在します。これは全住宅の約20%に相当する規模です。

一方で、地方創生や移住促進、テレワークの普及など、空き家の利活用を後押しする動きも強まっており、空き家投資は新たな市場機会を生む可能性があります。特に2025年以降は、団塊世代の高齢化と相続案件の増加により、空き家の流通が活発になることが予想されます。

需要と供給のバランスを見極めながら、地域の特性や社会情勢を踏まえた戦略が求められます。

新たな投資機会の創出

空き家投資における新たな展開として注目されているのが、「再生プロジェクト」と「用途転換」です。たとえば、空き家をコワーキングスペースや学習塾、地域交流施設に再生することで、新たな収益モデルを築く動きが広がっています。

また、初期費用を抑えるためのクラウドファンディングの活用や、地元住民と連携したリノベーションプロジェクトなど、資金面でも柔軟なアプローチが進んでいます。

今後は「空き家×地域活性」「空き家×福祉」「空き家×観光」など、他分野と連携した複合的な投資戦略が注目され、個人投資家にも門戸が広がっていくと考えられます。

まとめ:古家再生投資プランナーという選択肢

空き家投資を本格的に始めたい方にとって、有効な一歩となるのが「古家再生投資プランナー」の資格取得です。この資格は、全国古家再生推進協議会が認定するもので、空き家の選定・再生・運用に必要な知識と実務を体系的に学ぶことができます。

講座では、物件選びのポイントからリフォーム、賃貸経営、法務や税務まで幅広い内容が扱われ、初心者でも安心して学べる構成です。認定後は、協議会が紹介する物件情報への優先アクセスや、専門家とのネットワークを活用した支援体制も整っています。

空き家という社会課題を、収益と地域貢献の両面から解決するスキルを身につけたい方にとって、まさに理想的なスタート地点といえるでしょう。

 

POST: 2025.06.21