なぜ?儲かる空き家物件の情報が表にでないのか?

こんにちは、(一社)全国古家再生推進協議会の認定サポーターであり、古家再生投資プランナーⓇでもある女性投資家Mです。

当協議会では、少額から始められる不動産投資として、空き家・古家を中心とした戸建て物件の紹介を行っています。そのなかで、よくいただく質問として「どうすれば100万、200万の少額物件が買えるのか?どうやって探すのか?」というものがあります。

実際に少額物件は、不動産ポータルサイトで検索してもほとんど見つけることができません。当協議会が、会員である古家再生投資プランナーⓇに紹介する物件も、不動産業者から直接紹介を受けた物件が中心となっています。

この記事では、少額でできる不動産投資をはじめたいが「なかなか安価な物件が見つけられずに困っている」という人に向けて、少額物件の「情報が表にでない理由」「購入するための4つのポイント」を紹介します。

少額物件の情報が表にでない理由

不動産業者にとって、少額物件は「収益が少ない割に手間がかかる」案件という位置づけであり、不動産ポータルサイトに売情報が出ることが少ない傾向にあります。以下では、その詳細についてお伝えします。

1. 不動産業者にとって少額物件は儲からない

不動産業者にとって、仲介手数料の金額が少ない少額物件は、儲からない案件といえます。

売買を主な業務とする不動産業者にとって、売買の成約に伴う仲介手数料は収益の根幹です。仲介手数料の上限は、宅地建物取引業法により物件価格ごとに定められており、上限を超えて報酬を得ることはできません。

【取引価格ごとの仲介手数料の上限額】
200万円以下: 取引価格×5%(+消費税)
200万円~400万円以下: 取引価格×4%+2万円(+消費税)
400万円超: 取引価格×3%+6万円(+消費税)

例えば、250万の少額物件の売買によって、買主が不動産会社に支払う仲介手数料の上限は13.2万円であるのに対して、1000万円の物件では39.6万円となります。つまり、高額な物件ほど、仲介手数料の上限額も高くなります。

一方、取引に関わる不動産業者の手間は、少額物件でも高額物件でも同じです。不動産業者は、売買に伴う契約書や重要事項説明書の作成、契約から決裁までの各種調整など行わなくてはなりません。そのため、同じ手間がかかるのであれば、金額の大きい物件を優先する傾向にあります。実際、500万以下の少額物件は扱わない、という不動産業者も存在しているほどです。

2. 不動産業者は少額物件に手間をかけない

不動産業者は、売主から預かった物件をレインズという物件情報データベースに掲載して、他の不動産業者に売物件の情報を公開することで広く買主を探すことができます。

レインズは「Real Estate Information Network System」の頭文字をとった名前で、不動産流通機構が運営するシステムであり、不動産業者のみが利用できます。

しかし、少額物件ではレインズに掲載されるケースが少ないことが現実です。物件をレインズに公開すると、少額であることから問合せがたくさん来ます。問い合わせは喜ばしいことではありますが、その分、不動産業者は対応する手間がかかります。

また、内見などの対応をしても、安価である反面のデメリットを懸念して、物件を購入しない人も多くいます。結果、手間に見合うだけの仲介手数料が得られにくい少額物件は、レインズに掲載されず、不動産業者が「手間がかからずに購入してくれる顧客」に直接話をもっていくことが多くなります。

そのため、一般公開されている情報から質の良い少額物件を見つけることは至難の業であり、不動産業者から直接物件を紹介してもらえるような顧客になることが望ましいといえます。

少額物件を購入するための4つのポイント

不動産業者から少額物件を紹介してもらえるようになるためには、彼らにとって「手間がかからずに購入してくれる顧客」だと思ってもらうことが大事です。そのために、不動産投資家が気を付けるべき4つのポイントを紹介します。

1. 数を購入する

不動産業者にとって「1軒しか購入予定のない顧客」と「何軒も購入してくれる顧客」では、数を購入してくれる顧客が優良顧客になります。しかし、個人で続けて何軒も購入できる人は滅多におらず、個人で一から信用を得ていくことは難しいのが現実です。

そこで、全古協という団体の力は大きな強みになります。全古協は会員が約6000人おり、個人で見つけた物件を他の古家再生投資プランナーⓇに紹介できる仕組みもあります。実際、全古協ではこれまで1000以上の物件を購入しており、数を購入できる顧客としての信用力をもっています。

2. 仲介手数料は値切らない

前述の通り、少額物件の売買は、不動産業者にとって報酬額の少ない案件です。そのため、不動産投資家は、仲介手数料を値切るようなことはせず、満額で支払うことをおすすめします。

さらに、全古協では、不動産業者の両手取引を基本としています。両手取引とは、売主から売物件を預かっている不動産業者が、直接買主を見つけて契約を成立させることです。不動産業者は2者の仲介を行うため、売主と買主の両方から仲介手数料を得ることができます。

両手取引によって不動産業者にもメリットがでるように考えることが、不動産業者にも気持ちよく取引をしてもらうことに繋がります。

3. 不動産業者に手間をかけない

不動産投資家は契約までの過程において、できるだけ不動産業者に手間をかけないように意識することが大事です。そのために必要なのは、スピード感のある決断力です。

例えば、何度も内見を依頼するのは、忙しい不動産業者にとって大きな負担になります。最終的に成約すればまだしも、購入せずに内見ばかり依頼していては「手間がかかる顧客」と認定されかねません。現地を見に行って、その場で買付できる決断力が必要です。

また、買付を入れる際には、融資特約はつけないこともポイントです。融資特約をつけてしまうと、買主が購入できるか否かが確定するまでに時間がかかり、不動産業者にとっては保留状態となってしまいます。物件は、現金で購入しましょう。

4. 契約不適合責任は免責にする

買付を入れる際に気を付けるべき最後のポイントは、契約不適合責任を免責とすることです。

契約不適合責任とは、改正民法の条文において「目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」に、買主から売主に対する責任の請求を定めたものです。

古家の売買を例に挙げると、物件の購入後に買主が、売買契約時には知らされていなかったシロアリ被害が存在することを知った場合、売主が当該内容を知っていたかどうかに関わらず、買主から売主に対して、補修に伴う追完請求や、損害賠償などの請求ができます。

しかし、古家には後からでてくる不具合はつきものです。そのため、契約不適合責任を伴う契約は、売主が安心して取引することができず、不動産業者も後のトラブルの可能性を懸念してスムーズに契約が進まないことが多くあります。

したがって、全古協では、契約不適合責任を免責にした買付を行っています。

全古協の「組織の力」を活かして、少額物件を購入

少額物件は、仲介手数料が少ない一方で、高額物件の売買と同じ手間がかかることから、不動産業者にとって好んでは扱いたくない物件です。また、高額物件に比べて売情報が一般公開されることが少なく、不動産業者から直接物件を紹介してもらえる関係を築けることが必要になります。そのためには、自分の都合だけでなく、相手のメリットも考え、WIN-WINな関係で取引を行うことが大事です。

しかし、個人で一から不動産業者と関係を築いていくのは、容易ではありません。全古協は、これまで多くの古屋の購入実績があり、各エリアの古家再生士Ⓡは、不動産業者から少額物件を紹介してもらえるような信頼関係を築いています。

全古協の組織の力を活用して、少額な古家物件投資を始めてみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介した内容は、全古協のYoutubeチャンネルでもお話しています。こちらも、ぜひチェックしてみてください。


POST: 2021.01.17