Kさんは語る。不動産投資を始めた理由は「自分を変えたい、刺激的な人生を送りたい」からと。

1. 不動産投資に興味を持ったきっかけ。

当時25歳のKさんは、広島の大学を卒業した後、大阪にある会社に就職をした。漠然と過ごす社会人の生活。その時は彼女がいて「結婚」についての話はあったが、Kさんは結婚生活に「不安」を感じていた。「不自由な生活はしたくない」・「自分の服くらいは自分で買いたい」。結婚がしたくない訳ではないが、自身の自由と引き換えに身を固める覚悟は出来ない。よくありがちな若者の悩みに暮れている日々が続いた。

ある日、暇をもて遊びながら何気なく、「お金を増やすにはどうすればいいのだろう??」と、ネットサーフィンをしていると、ロバートキヨサキ氏の「金持ち父さん貧乏父さん」の本が推薦図書として上げられていた。Kさんは早速、「金持ち父さん貧乏父さん」を購入し一読した。この本でたびたび紹介される「資産運営」の言葉。お金に困らない生活は「貯金」を作ることではなく「資産」を残すこと。Kさんは今まで縁がなかった投資についても興味を持ち始めた。

資産運営について誰か知っている人はいないかとKさんは、会社の後輩に「金持ち父さん貧乏父さん」を知っているか聞いてみた。偶然にも後輩はその本のファンであり、「金持ち父さん貧乏父さん」の話や資産運営の話が妙に弾み、うまい具合に意気投合した。しばらくして、後輩から「キャッシュフローゲーム」のセミナーに参加しないかと誘いを受けた。そのセミナーとは「金持ち父さん貧乏父さん」の考え方をベースにした資産運営の勉強や、お金に対してのマインドや思考も勉強する投資のセミナーだった。

実はKさん、別な事情からこのセミナーに参加する決意をした。経済的な面で辛い目に合い「将来はやっぱりお金しかない!」と、思い悩んでいた。「今の自分を変えたい」、そのような反骨心からこの「キャッシュフローゲーム」のセミナーの誘いは、二つ返事で承諾したのである。

 

2. キャッシュフローゲーム

 

キャッシュフローゲームのセミナーは月に1度開催される。セミナーの参加者は様々。投資のことや資産運営のことはまったく知らない素人もいれば、実際にビジネスや不動産投資をしている経験者もいた。5人1組になって行われるキャッシュフローのゲームはとても楽しかった。普段では知り合うはずもない人達との出会いが何よりの刺激になった。歯医者さんや個人事業主の方々、自分とはまったく違う価値観を持つ人達との会話はとても新鮮で、Kさんの胸も熱くなっていった。このキャッシュフローゲームのセミナーは、他の投資セミナーとは少し違った特徴がある。それは、具体的な投資話の紹介や投資ビジネスの紹介をして、実務的にお金を動かすことが出来る。少額だが自分でゲーム機に投資をして、月の売り上げの数%が配当として受け取ることも出来た。

 

3. 初めての区分マンションの不動産投資物件を購入

 

キャッシュフローゲームに参加してから1年後の2006年3月に、セミナーの主催者から新しい不動産投資のビジネスについて紹介があった。セミナーに参加していた人達向けに、実際に「不動産投資をしてみないか」という誘いの話だった。Kさんはこの不動産投資の話に不安がない訳ではないが、しかし、どちらかというと期待に胸が高鳴る。「ゲームじゃないリアルな不動産投資の経験が出来る」と、実は心の中ではガッツポーズだった。それと挑戦的な意欲も強かった。「自分を変えたい」・「今までと違う世界で勝負がしたい」と。「金持ち父さん貧乏父さん」も教えてくれた「良い借金」と「悪い借金」の違い。今回の不動産投資の紹介の話は、間違いなく「良い借金」に値する。投資の不安を一人で抱える心配もなかった。キャッシュフローゲームを共に分かち合った仲間達と、お互いに協力していこうと手を取り合い、この投資を一緒に始めようと一致団結をした。(今思えば、仲間がいなければ絶対に始めることは出来なかったとKさんは語る)

これはやるしかない!楽しみと怖さが葛藤する中、Kさんは挑戦者となり、不動産投資をすることを選択した。そして、区分マンション3戸を購入することを決めたのだ。

 

4. 順調すぎた不動産投資の生活

 

大家業の手続きは以外に簡単だった。区分マンションの紹介を受けた、不動産屋兼管理会社が全ての手続きを準備した上で、Kさんは銀行に向かいサインするだけでよかった。それだけで翌月からは家賃収入が入ってくる。マンションの管理もその会社に委託し、管理運営業務もほぼお任せ状態でスタートが出来た。Kさんは大家としての自覚はなく、どちらかというと投資家として活動している気持ちが強い。

当時はほんとに楽観的だったと語るKさん。大きなローンの不安も抱えながらも、翌月にはしっかり家賃収入が入ってくる現実。頭ではもしもの危機を想定してもリアルに感じない。自分事のようには思えなかった。(当時を振り返るとほんとに考えが甘かったと反省するKさん)

家賃収入やゲーム機投資からの配当の生活費が捻出でき、新しく始めたビジネスに時間を集中しようと決めたKさんは、本業である仕事も退職した。これからは「投資家としての人生を歩むんだ」と、密かに心で決めていた。

 

5. 1室の退去からトラブル続出。

 

2007年6月。仕事を退職してから3ヶ月後、不動産会社から通知がきた。そこには「区分マンション3戸の内1戸の退出者が出ました。」と記載してある手紙と、「リフォーム費用60万の見積書」が一緒に送られてきた。

委託業者に管理運営を一任していたKさんは、その事情は「しかたないな」と承諾をした。しかし、予想をはるかに上回る高額のリフォーム費用に戸惑い、友人が経営しているリフォーム会社に工事を依頼すると不動産会社に電話をかけて相談をした。

不動産会社から「了解しました」と返事をもらい、電話を切ってから5分後すぐに折り返しの電話がかかってきた。「実はリフォームの工事は済んでおります。なので、工事費用だけをお支払い願いたいのですが・・・」。不動産会社はなんと、大家のKさんに一切の相談もなく費用だけを請求してきた。理不尽な対応に納得の出来ないKさんは不動産会社に再度交渉を持ち掛けて、なんとか必要最低限のリフォーム費用だけの支払いで済むことが出来た。このトラブルを一部始終、一緒になって問題の解決に当たってくれたリフォーム会社の友人から、厳しいお叱りを受けることになった。「このマンションは自分の持ち物じゃないのか。全て任せるなんて無責任すぎる。この業界を甘くみていたら足元をすくわれるぞ」と、本気の駄目だしを受けた。Kさんはその時に初めて、大家としての自覚のない自分を心から反省した。

 

6. このままではいけない!大家業を本気で勉強しよう!

 

大家の自覚がなかったKさんは「大家検定」の資格をとることを決意。また、リフォームもまったく無知だったKさんは、大家仲間がリフォーム工事に入ると、「自分もリフォームの体験をさせてほしい」と願い出て、具体的な工事や見積もりも前向きに取り組んだ。2009年には、区分マンションの委託管理を自主管理に変更した。お金の管理もきっちりしようと口座も分けた。計画的にお金を積み立て、仲間同士で現状をシェアする場所を設け、大家の仲間同士が懇親を深めるコミュニティーにも積極的に参加した。

 

7. まさか!入居者から「お金を貸して欲しい」と申し出!?

 

Kさんが所有している区分マンションの1室の入居者から「お金を貸してほしい」と相談を受けた。当然答えはNOと返事。それからというもの、その入居者からの入金が遅れがちになっていった。以前のKさんなら「ちょっとくらい入金が遅れても・・・」と、甘くみていたが、色々な経験を乗り越えてきた今のKさんは大家としてやるべき仕事は何か理解をしている。トラブルは初めが肝心だ。入金が1日でも遅れたら入居者に電話を入れてしっかり催促するようにした。その管理業務の中で定期借家に契約も変更しリスクヘッジも考えるようになった。3年前は大家としての自覚がまったくなかったKさんだったが、この頃には一人前の大家の仕事を全う出来るようになるまでに成長していた。

 

8. 古家不動産投資で再挑戦!

 

2014年の年末に、友人の紹介で「喜ばれる大家会」に参加することになった。その時に全国古家再推進協議会(以下、全古協)のマスター古家再生投資プランナーと出会い、初めて古家不動産投資の存在を知った。古家不動産投資に対する第一印象は、「自分が住むイメージが出来ない、だから入居者が付くとも思えない」。正直に印象はよくなかったと話すKさん。しかしメリットもある。古家不動産投資の最大の魅力は「利回り15%」と「低リスク」で始められること、そして「少額」で投資が出来ることだ。Kさんは新たに不動産投資をしようと計画を立てて、以前から運転資金をプールしていた。不動産投資をやり始めた頃に夢を見た「結婚しても、お金に困らない自由な生活」を手に入れる為にもう一度、不動産投資に挑戦したい。なんでもよい訳ではないが「まずはやってみることが大事」という持論を信じた。

2015年の1月にKさんは、全古協から紹介を受けた古家物件を購入して、また夢に向かって動き出したのである。

 

<Kさんが現在所有する不動産物件>

 ・ 区分マンション3戸

・ 古家不動産物件1戸

 

 

9. これから古家不動産投資を始める方へメッセージ

何事も同じだと思いますが、事前の勉強が一番だと思います。しかし、それは失敗しない為の基礎知識の学習であって、現実は驚くほど違う出来事がたくさんあります。机上の勉強だけでは不動産投資や大家業を身に付けることは出来ません。はっきり言って「勉強2割」・「実践8割」です。

なので、始めは納得するまで勉強して下さい。物件をいっぱい見学して肌で感じてください。そして、仲間を信じて下さい。一人で大家業や不動産投資をやり続けるなんていつか心が折れます。なにかあった時に助けてくれる仲間がいることが成功の秘訣です。

意気揚々と気持ちが高まったらすぐに物件を購入して下さい!まずはやってみることが大事です!古家不動産投資に挑戦したい人達を心から応援しています。