PRESIDENT(プレジデント)2018年12月号に(社)全国古家再生推進協議会を掲載いただきました。

この度、PRESIDENT(プレジデント)2018年12月号に、(社)全国古家再生推進協議会の事を掲載いただきました。ご掲載いただきありあとうございます。

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 東大阪市に、築古物件を戸建て賃貸として再生させるばかりではなく、不動産投資家とのマッチングまで行う団体があると聞き、訪ねてみた。

 一般社団法人・全国古家再生推進協議会。会員数は約3000人で、実際に再生した物件は600軒を超えるという。

「うちで扱ってきたのは、ほとんどが築40年前後の築古物件です。20坪以下の狭小住宅も多い」――そう語る理事長の大熊重之氏は、オークマ工塗という部品塗装会社を営む。

 本業の傍ら、同協議会を設立したのは2014年だが、不動産に目を向けたのは10年ほど前にさかのぼる。

「あるきっかけで買った中古マンションをリフォームし、賃貸に出したのですが、まったく買い手がつかない。そこで、塗装のスキルを生かして、今までにないカラーリングの住戸にしたら、すぐに借り手がついたんです」(大熊氏)

 同じ手法を戸建てで試みたら、これが「バッチリ当たった」(同)。それから、築古物件のリフォーム・賃貸化の依頼を受けるようになった。相続した実家の処分についての相談も増えたという。これまで福岡県北九州市や石川県、山梨県などの物件を手がけ、「8割は何とかなる」と大熊氏は自信を見せる。

「だいたい皆さん、築古物件を過小評価しています」と大熊氏はいう。

「特に相続して放置しておいた家だと『こんなボロ家を借りる人、ほんまにおるんか』と言います。でも、私たちの目で見ると、これはいいものになるなという物件が実に多い」。

 なまじ思い出の詰まった土地建物だけに、ボウボウの雑草や雨漏りという惨状を見るだけで気持ちが萎えてしまうのも無理はない(55㌻図1参照)。が、見かけによらず、修復が十分可能な案件は少なくないのだ。

ゴミ屋敷もきれいにすれば何の問題もないし、シロアリは多くの場合、食われているのは家屋の一部だけ。傾いていても、床だけ修理すればよいケースもあります。見た目であきらめないことです」(大熊氏)

 大熊さんは、自身で培ってきた古家再生のノウハウをマニュアル化。人に指導できる仕組みづくりを徐々に整え、協議会の設立に至った。

 同協議会では、築古物件の戸建て賃貸化をコーディネートする古家再生士の認定を行っており、依頼に対しては入居者付け、賃貸契約まで面倒をみてくれる。投資家向けには、古家再生投資プランナーというアドバイザーの認定制度もある。

「大手の不動産会社や工務店へ行くと『建て替えましょう』といわれる。相続した実家に何千万円もかけられる人なんて、そうはいませんよ。リフォーム会社に相談したら、500万円やら600万円もかかり、貸し出そうとしたら、家賃がその地域の相場より大幅に高くなって、結局は借り手がつかなかった。そんな話もよく聞きました」(大熊氏)

 実は、築古物件を戸建て貸家に再生する場合、ここが成否の重要なポイントになる。工務店が示したリフォームにかかる費用をもとに家賃を算定するという発想では、失敗する可能性が高いのだ。

 では、どうするのか。大熊氏はまず「利回りをつくる」ところから始めるという(右図参照)。賃貸利回りを設定し、次にその地域の家賃相場を調べて、その利回り達成に必要な投資額=古家の再生費用を決めるわけだ。スタンスはマイナス資産の処分ではなく、どれくらい儲かるかを模索する投資家である。

 実際、どれくらいの利回りが期待できるのか。同協議会の再生プランでは、古家であるがゆえのその家の良さや、地域性に合わせ、他の戸建て賃貸との差別化も図っているという。それもあって、賃貸利回りは関西で1415%、関東で1213%が標準ライン。相続した家は、買い入れ費用がないので、利回り20%程度が標準だという。相談を受けて再生を勧めるかどうかの判断ラインも、この利回りを指標としている。

「家賃設定は、需要のボリュームゾーンを外したら十中八九、うまくはいきません。今は取引のほとんどがネット経由なので、借り主の検索で引っかからなくなる」(大熊氏)

固定資産税が3~6倍になる

 大熊氏が実際に相談を受けた大阪・四条畷市の物件をみてみよう(左㌻参照)。東京在住の40代・共働き夫婦が、認知症となった妻の父親の死後、ゴミ屋敷化した実家を相続。「そのまま売却したら、坪20万円くらいで900万円、解体費用は業者の言い値です。200万円取られれば、残るのは700万円程度」(同)

 480万円の費用を4年半で取り返し、後は収益を生む。売却とどちらを選ぶべきだったかは自明だろう。

 大熊氏も、「相続した実家は放置せず、なるべく早く再利用を考えたほうがいい」と言う。15年に施行された「空家等対策特別措置法」がその根拠である。

(中略)

「空き家の賃貸再利用は、持ち主も借り主も、地域の人もハッピーになる話」とは大熊氏。「100万円や200万円のリフォーム費用はかかるけれど『実家をどうしようか』と手をこまねいているより、これを投資だと考え、大家になって利益を得る道を選ぶほうが得策ですよ」。

以上。

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