【注意】戸建て投資で騙されない為に…

こんにちは、一般社団法人全国古家再生推進協議会の理事長、大熊です。

今回は、空き家投資の魅力やリスク、それから失敗事例などを踏まえたポイントをお話ししますね。最近、戸建ての空き家に注目が集まっているのは、初期コストを抑えながら高めの利回りが期待できるからです。

ただ、金融機関からの融資が厳しくなっている今、どんな物件をどう再生していくかは、しっかりと見極める必要があります。また、空き家再生は地域の課題解決にも貢献できるところが注目されていて、うまくいけば投資と社会的意義の両方を実現できるんですよ。

とはいえ、「安く買えば大丈夫だろう」と安易に考えてしまうと、予想外の修繕費やなかなか入居者が見つからないなど、いろいろな落とし穴にはまる可能性があります。

私も投資家の皆さんからご相談をいただきますが、調査や計画が十分でないまま物件を購入してしまい、予想外のトラブルが発生するケースは少なくありません。

そこで、いくつかの事例を紹介しながら、空き家投資でどんな点に気をつければいいのかを掘り下げていきたいと思います。空き家投資のリスクや魅力、地域貢献の可能性をしっかりと理解して、長く続けられる投資スタイルを目指していただければ嬉しいです。

空き家投資が注目される背景

日本全国で空き家が増えている原因には、少子高齢化や都市部への人口集中、それからライフスタイルの変化など、いろんな要素があります。

総務省のデータでも、空き家率は今後さらに上昇するという予想が出ていて、特に地方では放置されたままの家が増えることによる景観や治安の問題が深刻です。自治体や国が空き家バンクや補助金制度を整備しているものの、まだまだ十分に活用されていないのも現状ですね。

そうした中、注目されているのが「空き家投資」です。一棟マンションやアパートに比べて、戸建ての空き家は比較的安く購入できることが多いんです。融資条件が厳しくなるにつれ、中古戸建ての価格帯なら現金で買いやすいとか、少ない融資で始めやすいというのが魅力になっています。

さらに、空き家再生は地域のためにもなるので、投資家にとっては「収益を狙いつつ、社会にも貢献できる」というメリットがあるんです。

空き家投資の魅力

1. 初期費用を抑えやすい

都市部のマンションやアパートの一室や一棟を買う場合、数千万円から数億円といった大きなお金が必要になります。

ところが、戸建ての空き家なら、状態や場所にもよりますが数百万円以下で買えるケースもあるんですよ。もちろん買った後にリフォーム費用はかかるんですが、それを合わせてもマンションやアパートほどのコストにはなりにくいです。だからこそ、「最初の一歩を踏み出しやすい」という点が魅力ですね。

2. 高い利回りが期待できる

安価な物件でも上手にリフォームやリノベーションをすれば、家賃収入に対する投資額の比率(利回り)を高くできる場合があります。物件を綺麗に改修して、今の入居者が求めるような設備を整えれば、周辺の相場以上の家賃で貸し出せる可能性もゼロではありません。

ただし、あまり利回りだけを追求し過ぎて、必要な修繕を削ったりすると、空室になりやすくなるリスクがありますので注意してくださいね。

3. 地域に貢献できる

空き家投資のもう一つの魅力は、老朽化した家に手を加えて、人が住める状態に戻すという地域貢献になる点です。放置されていた空き家を再生すると、防犯面や景観の向上にもなりますし、新たな住民が地域に加わることで、商店や公共交通の利用が増えたりするなど、多方面に良い影響が出ることも期待できます。

投資としてのメリットだけでなく、社会的意義も大きいところが注目ポイントですね。

失敗事例から見る空き家投資のリスク

空き家投資には大きな可能性がありますが、甘い見通しで参入すると大きな痛手を負うこともあるんです。実際によくある失敗事例を見ながら、気をつけたいポイントを整理してみましょう。

事例1:安さだけに飛びついた失敗

「100万円以下で買えるからお得だ!」と思って購入したら、基礎や配管がボロボロで、結果的に何百万円も修繕費がかかったというケースがあります。

また、交通の便が悪くて入居者がなかなか見つからず、家賃収入を得る前にどんどん赤字が増えてしまうことも考えられます。こうした安い物件には、何かしら理由があることが多いんですね。十分な調査をしないまま買ってしまうと、「損切りしかない」という状況に追い込まれかねません。

事例2:リフォームや家賃設定がミスマッチ

築古物件をリフォームしても、そこで暮らす人の動線や使い勝手が考慮されていないと、入居希望者が全然集まらないということが起こりやすいです。たとえば、バス・トイレ周りの使い勝手が悪かったり、洗濯機置き場が不便な場所にあったりすると敬遠されやすいんです。

さらに、高額なリフォーム費用を回収しようと家賃を相場よりかなり高く設定すると、内覧者が来ても契約までは至らなかったりします。結局、ターゲット層が何を求めていて、どのくらいの家賃で借りてもらえるかをしっかり押さえておく必要があるんですね。

事例3:DIYによる中途半端な仕上がり

DIYはコストダウンを狙える魅力的な方法ですが、築古戸建てをリフォームするには専門知識が求められる部分も多いです。

たとえば、配管をいじったり、基礎を補強したりするのは素人にはハードルが高いですよね。途中で作業が止まって工事が長引き、家賃収入が得られない期間だけが伸びてしまうこともあります。DIYをする場合は、どこを自分でやって、どこを業者に頼むのかをしっかり区別することが大切です。

賃貸市場の変化を踏まえて

最近の賃貸市場では、築年数が古いからといって家賃を下げれば借り手がつく、というわけでもなくなっています。新築や築浅の物件が増えているので、単に安いだけで差別化するのは難しいんですよね。

そこで重要なのが、リフォームやリノベーションで物件の魅力を高めること。水回りを使いやすくしてあげたり、インターネット環境を充実させたり、ファミリー向けなら収納をたっぷり作ったりと、生活する人の視点をしっかり取り入れると良いでしょう。

また、テレワークの普及で在宅勤務が当たり前になりつつあるので、仕事部屋や広いリビングを作るなど、ライフスタイルの変化に合わせた改装を意識すると選ばれやすくなります。

リサーチとパートナー選びの大切さ

空き家投資を成功させるには、物件自体の状態チェック、周辺の家賃相場や賃貸需要の確認、リフォーム費用の見積もりなど、多角的なリサーチが欠かせません。自分ひとりで全てをやるのは大変なので、不動産会社や工務店、リフォーム業者といった専門家との連携がとても重要です。

ただし、すべての業者が信頼できるとは限らないので、実績や口コミを調べたり、複数社から見積もりを取って比べたりする工夫は必要です。

また、私が理事長をしている全国古家再生推進協議会のようなコミュニティで、同じように空き家投資にチャレンジしている人たちの事例を学ぶのもおすすめですね。成功例も失敗例も共有されるので、かなり参考になると思いますよ。

空き家投資と社会貢献

空き家投資の良いところは、地域の空き家問題を解消できる可能性があることです。放置されていた家を蘇らせることで、新しい住民が地域に入り、防犯や景観も良くなっていくんです。少子高齢化が進む地方では、移住希望者にリフォーム済みの家を提供するなど、地域活性化の取り組みにもつながります。

また、行政やNPOからの補助金制度などを利用できるケースもあります。耐震補強や省エネ改修に関する補助があれば、投資家としては費用負担を軽減しながら魅力的な住まいを作れますよね。こうしたサポートを活用できれば、社会貢献だけじゃなく、ご自身の投資面でもメリットがあります。

長く続けるためのポイント

最後に、空き家投資を長く安定して続けるためのポイントをいくつかご紹介します。

  1. こまめなメンテナンス
    築古物件はいつどこに不具合が出てもおかしくないので、定期的にチェックして早めに対処する姿勢が大事です。建物が傷んだまま放置すると、いざ修繕するときに膨大な費用がかかったりするので、こまめに手を入れてあげたほうが結果的にお得です。

  2. 入居者とのコミュニケーション
    不具合や困ったことがあったときに、すぐ対応してくれる大家さんであれば、入居者も長く住んでくれる傾向があります。丁寧なやり取りを心がけるだけで、物件に対する印象がだいぶ違いますよ。

  3. 地域や行政との連携
    地元のコミュニティや行政の空き家対策などに協力すると、いろんな情報が入ってきやすいですし、補助金や助成金についても早めにキャッチできるかもしれません。結果的に投資がスムーズに進むことがよくあります。

  4. リスクヘッジと資金計画
    融資を使う場合は、金利の変動や空室リスクなども考慮に入れておく必要があります。物件を複数持つ場合は、家賃収入が安定しやすいようにポートフォリオを組むなど、リスク分散を考えるのも大事ですね。

まとめ:空き家投資の可能性を活かすには?

空き家投資は一見ハードルが低いように見えますが、しっかりと調査し、専門家の意見を取り入れながら進めないと痛い目を見ることもあります。とはいえ、きちんとリスクを管理しながらやっていけば、高い利回りと社会貢献を同時に実現できる、非常に魅力的な投資方法でもあるんです。

私たち全国古家再生推進協議会でも、空き家投資に取り組む方々をいろいろな面でサポートしています。成功例や失敗例をお互いに共有し合うことで、学び合える場が整っていますので、興味があればぜひ覗いてみてください。

空き家が増え続けると言われるこれからの時代、戸建ての空き家を活用する取り組みは、地域社会にとってもとても大切になってきます。どうか皆さんも、リスクとメリットを理解したうえで、長期的な視点を持って空き家投資に挑戦してみてください。上手に進められれば、収益も得られますし、地域活性化にも役立てますよ。

全国古家再生推進協議会としても、皆さんのチャレンジを心から応援しています。「投資で稼ぐだけじゃなく、社会にも貢献したい」という想いのある方にとって、空き家投資は本当に面白い選択肢になり得ますから、ぜひ前向きに取り組んでいただければ嬉しいです。

今後も、私たちは空き家再生に関する情報発信やサポートを続けていきますので、一緒に空き家問題の解決と、新しい投資のかたちを目指していきましょう。

POST: 2025.03.23