【保存版】空き家投資、実質利回りの算出方法とは?

こんにちは。一般社団法人 全国古家再生推進協議会 理事長の大熊重行(おおくま
しげゆき)です。本日のテーマは「空き家投資、実質利回りの算出方法」についてです。それでは参りましょう。

本当の利回り「実質利回り」とは?

空き家投資においても、利回りは重要な概念です。利回りと言うと、一般的には総投資額に対して年間の家賃収入で割ることで求められる表面利回りが挙げられます。しかし利回りにも表面利回り以外の概念があります。たまに当協会にも質問に挙がるのが「実質利回り」はいくらになりますか?というものです。実質利回りとは、表面利回りから経費を差し引いたものです。家賃収入に対して、実際は色々な諸経費がかかりますから、実質利回りはより実入りに近い形となるのです。

実際の数字から見る実質利回りの計算方法

では、実際の数字から実質利回りの算出方法を考えます。とある古家物件ですが、昭和56年7月に出来た比較的新しめの物件です。ですが申請時期の関係で旧耐震となっています。この物件が、300万円で購入して250万円かけてリフォームするもので、想定は表面利回り13%です。

ここから、かかる費用などを総ざらいで考えていきます。土地建物付きなので固定資産税の割合の按分で分けるという形です。費用については、まず物件の仲介手数料が300万円に対して3%かかって、そこに2万円がプラスされて15.4万円になります。次に火災保険料ですが、10年で契約した上で耐震は5年にすることで少し安くなって2.9万円です。固定資産税は日割りで1万4527円、登記費用は土地が5万円、建物が2万円、登録免許税を合わせて合計で18.6万円となります。数ヶ月後に忘れた頃にくる不動産取得税が12万8450円で、それらを合計すると51万1977円になります。これらが初期費用として諸経費になるので、実質12.1%の利回りとなるのです。ここの初期費用は、相場観としては購入額の10%程度見ておくという事です。

しっかりと差別化した物件に仕上がってリフォーム出来たら、マイソクで募集を出します。表面利回りは、月6万2千円で募集することをベースとしています。ペットについては1匹目まで賃料に含み、以降は2匹目に2000円、3匹目で4000円など条件をつけていきます。古家再生士によるデザインリフォームなど、アピールしたい差別化ポイントをまとめましょう。

募集する際には、広告費がかかります。広告費は2ヶ月分付けることが多いです。ですが、初月の家賃と礼金が6万2千円ずつ入るので、相殺されるということになります。管理会社に払う管理料は5%程度なので、物件の価格と工事費と諸経費、管理料などを引くと、実質利回りが11.6%になります。

計算を再度まとめてみる

まとめると、物件購入時の初期費用は、500万円の物件ならおおよそ10%の50万円がかかるということになります。諸経費に管理費を加えて計算すると、実質利回りは1%から2%落ちることになるのです。表面15%なら実質13%、表面12%なら実質10%だから投資の範囲内か、などと考えることができるのです。

まとめ

不動産を取得し、賃貸する場合には絶対に利回りが重要になってきます。今回は、家賃を取得価格で割った表面利回りではなく、そこにかかる経費を差し引いて実入りを表す実質利回りについて解説しました。物件取得時の仲介手数料、火災保険料、登録免許税、不動産取得税、物件の募集の際の広告費、管理会社に払う賃料などが、かかる経費となります。こうした経費は、おおよそ求める方法があり、それが物件の取得価格の10%程度になるのです。そして、こうした経費を考慮すると表面利回りから1%から2%引いたものが実質利回りになるのです。

以上説明した内容については以下動画でも解説しています。
良かったら以下よりご覧ください。
https://zenko-kyo.or.jp/youtube/7613-2/


POST: 2022.05.31