こんにちは。一般社団法人 全国古家再生推進協議会 理事長の大熊重行(おおくま
しげゆき)です。本日のテーマは「管理会社社長に聞く全古協の物件管理の実態」についてです。それでは参りましょう。
管理会社社長に聞く全古協の物件管理の実態
当協議会は、いつも空き家再生投資に関する情報を発信していますが、今回は物件の運営に必要不可欠な「管理業務」について取り上げていきたいと思います。
餅は餅屋ということで、今回は不動産管理会社の社長さんと対談をし、そのやり取りから不動産投資の参考になりそうな情報を探っていきます。
今回、当協議会理事長の大熊と対談をするのは、大阪市を拠点とする不動産管理会社「株式会社創生管理」の代表取締役である村上俊輔さんです。以下、一部のやり取りを抜粋してお届けします。
大熊「大体会社で管理戸数はどのくらいあるんですか?」
村上「大体1000戸強ですね。」
大熊「マンション、戸建て、アパートとかいろいろあると思いますけど、バランス的にはどんな感じですか?」
村上「バランス的には戸建てが約4割。ご紹介いただいている全古協さんだけでも約400戸をおろさせていただいています。あとはマンションですね。」
大熊「マンションはやっぱりワンルームが多いですか?」
村上「ワンルームが多いです。ワンルームで大阪市内のものが多いです。」
村上さんの会社は全古協の空き家再生物件を数多く管理されています。やり取りにもあるように全古協の空き家がおおよそ4割を占めるほど大きな割合となっており、空き家管理のプロフェッショナルとも言える存在です。
元々、当協議会の空き家物件の管理は個人の小さいところにお願いしていましたが、きめ細やかな対応を期待していたのと裏腹に対応できない時が多くなったため交替。次に何千戸も管理している業者に依頼したところ普通の対応だったものの大手であるがゆえに社内の対応が悪かったりして交替。そこで村上さんと出会い、今では全古協で管理会社を紹介してほしいと言われたら全て創生管理にお願いすることとなっています。
管理会社の業務の実態
管理会社の経営の現状についても知ることができました。
村上「ワンルームが多いです。ワンルームで大阪市内のものが多いです。」
大熊「でも退去が多いでしょう?」
村上「多いですね…多いですし、競争も激しいですね、凄く。」
大熊「僕も前やった時、3ヶ月くらいで出てしまうからね。」
村上「3ヶ月位で出て行きますよね…」
大熊「今敷金、礼金とか取れないから、それで出られたら何やってるかがわからへんもんね。」
村上「そうですね。広告料で業者さんに紹介してもらうのも、競争がどんどん激しくなっているので…」
大熊「今どれぐらいが広告料?」
村上「大体2ヶ月…ワンルームマンションとかでも2ヶ月位っていうのが1番多くて、多いところだと3ヶ月です。よっぽど決まらないような難しいところだとオーナーさんと相談して一時的に4ヶ月にしたりとか、そういうケースもあります。」
大熊「それで敷金、礼金取れないんですよね?」
村上「取れないですね。返す時もゼロゼロで出て行ってもらって…」
大熊「まだ戸建ての方が取れるだけマシか。」
ワンルームマンションの競争が激しくなっていく中で戸建ては比較的条件としては管理会社にとっても良いことが分かりました。
空き家管理の特徴
もちろん、管理会社にとって空き家再生物件の戸建ての管理は良いことだけではありません。
例えばマンションに比べて戸建てはクレームの内容が想像がつかないケースが多くあります。例えば雨漏りが起こるなどのクレームを想定していたら、実際にはネズミが出る、草が生えているからなんとかして欲しいなど、管理会社の領域なのか疑問なクレームが多々あったということです。
大熊「なるほどね。確かにマンションだったらある程度限られたクレームになるかもしれないですね。管理会社って大体戸建てあまりやりたがらへんよね。」
村上「そうですね。」
大熊「やっぱり一等物でまとまっている方が管理するのに効率良いもんね。」
村上「効率も良いですし、後は募集面でもマンションの方がスピードを出しやすいですよね。この部屋は決まっているけども他の部屋は空いてるからその部屋と同じ様になりますという決め方が出来ますけれども、戸建てに関してはもう1戸1戸が間取りを一から作ったりとオーダーメイドみたいな形なので、完成してみないと決まらないという。また退去予定が出て、退去してみないと次どのくらい修繕に時間がかかるかとかも読めないので。」
戸建てはどうしてもマンションに比べて管理効率は落ちます。先述したクレームについては、戸建て制限契約書を作って入居者負担や大家負担などの境界を明確にしています。
空き家管理で最も多いクレームとは?
空き家の管理で最も多いクレームは何か。村上さんによると水関係の設備だそうです。空き家であるがゆえに排水に汚れが溜まっていき溢れるなどのケースが多々あるのです。もちろん洗浄をすれば解決しますが、ケースとしてはそうしたものがあるのです。
また、ネズミが侵入するというクレームがつくことも多いです。しかし戸建ての場合は再生士さんがネズミの侵入路を潰すことで解決する場合が大半です。
まとめ
今回は村上さんと大熊の対談から空き家再生投資のヒントを学びました。管理業務は賃貸経営の根幹ですから、実際に話を聞いて得られることは多いと言えるでしょう。
以上説明した内容については以下動画でも解説しています。
良かったら以下よりご覧ください。
https://zenko-kyo.or.jp/youtube/vol-1-4/
POST: 2022.11.5