【融資で空き家・古家購入をお考えの方へ】理事長が教える金融機関の選び方と3つの条件について

こんにちは。理事長の大熊重之です。

最近融資についての質問等が多いので今回は、融資について記事を書きました。

どれぐらい多いのかというと、「○秒に1人」(よくある通販広告)とまではいきませんが、全古協では最近、サラリーマンの方、女性(主婦)の方で、初めて不動産投資をされる方が増えています。

特に、女性の方は増えてますね。だから、直接、何故当協議会だったの?と聞いてみたんです。そしたら、「ちゃんと知識を教えてくれるから。」というお声を頂きました。

当協議会では、古家再生投資プランナーⓇという認定をしています。空き家を活用する為、購入する上での必要な知識をオンデマンド講座でお伝えし、課題提出をしていただき、合格された方を認定しています。何故、そのような事をしているのか?というと、しっかり知識を付けていただくことで、あとはご自身で空き家を購入し、資産運用ができるからです。丸投げで資産運用はしてはいけません。しっかりと知識を習得し、経験していただきたいから、当協議会では、認定制度を儲けております。

さて、今回は、最初にお伝えしたように融資ついてのお話です。融資といっても単に融資について書いては、私が書く意味がないので、空き家・古家を購入する際に活用する金融機関、融資に特化した内容で記事を書きました。

空き家・古家購入を融資で・・・とお考えの方は、一度目を通しておくと役立つと思います。

不動産投資の最大のメリットは融資が使えるということ

そもそも不動産投資の最大のメリットの一つは融資が出来ると言うことです。いわゆる投資にレバレッジ(てこの原理)が利くと言うことですね。

どういうことかと言うと・・・

例えば、10%の利回り物件を現金1,000万円で購入すれば、年間100万円の家賃が入ります。(実際には細かな支出がありますがここではわかりやすくしています。)しかし、1,000万円を頭金に9,000万円の融資を受ければ1億円の物件が買えるようになります。同じ10%の利回りであれば年間1,000万円の家賃が入ります。これが融資を得られるメリットです。

大きな物件の落とし穴に注意

実は、これ以外の経費や減価償却・税金・金利によって実際にはこんな単純にはなりません。特に大きな物件では、そこが大きな落とし穴になっています。よって我々はしっかりと知識を得ずに不動産投資をするのはとても危険だと考えています。だからこそ低額から始められる空き家・古家不動産投資を勧めています。

この理屈で言うと融資を受けられるのであれば、全額現金で買う方がバカらしいですよね。この仕組みが不動産価格に大きく影響しているのです。

不動産価格に大きく影響している仕組みとは?

  • 不動産価格は金融機関によって貸し出しが出来るか?
  • 不動産価格は金融機関によって貸し出しができないか?

この考え方が不動産価格に大きく影響します。

物件の価値と言うより、融資の審査を厳しくするかどうかで決まるのです。どんなに価値ある物件でも金融機関が貸さないと言ったら買えないのです。(大金持ちは別ですが・・・)

バブル崩壊がまさしくその答えです。金融機関が不動産融資に厳しくすれば1億円のとてもいい物件でも1億円の現金を持っている方しか購入することが出来ないのです。購入する方が減れば需要と供給で急激に下がる仕組みになっています。

この融資・金融機関に比較的頼らなくていいのが、空き家・古家不動産投資です。もともと総予算で500万円前後なので、現金で購入できる方がたくさんいます。だから金融機関への依存率が低いのです。よって、空き家・古家不動産投資は、景気に左右されにくい投資だと言えます。ただし、値下がりリスクが低いと言うことは、逆にいえば、値上りも少ないことにもなります。

では、次に空き家・古家の融資はどうなんでしょう?

金融機関から見ると我々の実績が多い築40年くらいであれば融資はできません。

通常の融資の考え方は・・・

土地値+建物×70%が貸出額です。
(金融機関によって変わります。)

古家の場合は、木造なので対応年数(22年)が過ぎているので価値がありません。土地値も建物が建っていると価値が下がりますので、基本的には融資は難しいです。

しかし、条件によっては貸し出しが可能になります。

貸し出し(融資)が可能な3つの条件とは?

  1. 個人の属性での融資
  2. 事業融資
  3. 担保価値のある場合

1.個人の属性での融資とは?

この家を買ってその人の収入で払い続けることが出来るのか?

計画では賃貸にすると言うことだが、購入物件に借り手がつかない時に返済期間ずっと払い続けることが出来るのかを見る。個人の収入・資産・仕事・家族構成などなど だから、安定した上場会社社員や公務員・医者など高収入の方が有利です。

2.事業融資とは?

大家業の経営者として貸出する。

この場合、この人は賃貸不動産業でしっかりと収益を上げることが出来るのか返済してくれるのかを考えます。当然実績を見ることになります。個人なら確定申告。法人なら法人税の申告ですね。だから、法人で実績を積む方が融資しやすいと言うことになります。どちらにしても最低2期は欲しいですね。そして、利益をどれだけ出しているかによって融資が変わります。

一番のポイントはどれだけ税金を払っているか?そこが融資条件のポイントです。(詳しくなると個人と法人では融資審査ポイントは変わります。)

3.担保価値のある場合とは?

最初に古家は価値がないので、融資が難しいと言いましたが、例外として、担保価値があるものもあります。それは、土地路線価が高い場合です。

例えば、土地建物入れて300万円で購入した物件でも土地路線価が1.5倍や2倍以上のものがあります。その場合金融機関は最悪支払い出来なくなっても差し押さえすれば売れるので大丈夫と言うことになります。

路線価が高いと言うことは、通常、売価も高くなっているので、「3.担保価値のある場合」については少ない事例になります。「1.個人の属性での融資」については、がんばって投資以外での収入を高めることしかありません。でもそれが出来るならそもそも不動産投資をしていませんよね。

では、不動産投資を拡大するにはどうすればいいのか?

不動産投資を拡大するには、「2.事業融資」をどれだけ高めることが出来るのか?ということです。

結局は大家業・不動産賃貸業の経営をどれだけうまくやるかと言うことになります。そして、慌ててはダメです。会社経営は知識と経験が必要です。いきなり大きな勝負に出て失敗しては倒産です。

最初は、小さくてもいいので経験を増やすことです。実体験を数多くすることで変化に対応できます。不動産で言うならば、2,000万円の投資を1回するより500万で4回やった方がいろいろなノウハウが溜まります。そして、購入も売却も両方経験するのがベストですね。購入の時に気づくことと売却急にはできないものなのです。ですがそこでの経験はその後の大きな飛躍となります。

要は、知識と経験を得る事が重要です。

ですから、我々はその知識と経験を得られる場を提供することで、経営力をあげてもらいたいと考えています。それが、(社)全国古家再生推進協議会の良さでもあり、古家再生投資プランナーの方に経験していただきたい事になります。

実際に空き家・古家はどのような金融機関を利用することが出来るのでしょうか?

では、実際に空き家・古家はどのような金融機関を利用することが出来るのでしょうか?ということについて説明いたします。

どのような金融機関を利用できるのか?というと、金融機関の種類は、信用金庫・地方銀行・都市銀行と政府系金融機関になります。

空き家・古家購入で利用する場合の信用金庫とは?

信用金庫は、基本は、個人の属性によっての融資になりますが経験や担保価値も見ます。お付き合い度合いによってかなり条件も変わってきますので銀行を選ぶことが大切です。

我々協議会の実績も見ていただいているので、我々が銀行をご紹介する場合が多いですが、実際に有利に働いているようです。ただ、信用金庫の場合は、地域的な障害があります。支店の範囲内で住んでいるか、職場があるのが前提です。協議会の紹介で地域拡大にはなったことがございます。

空き家・古家購入で利用する場合の地方銀行とは?

地方銀行でもなかなか難しいのが現状です。

ただし、最近では空き家ローンとして賃貸や活用するためのパッケージ商品が出ています。フルローンは出来ませんが工事費を借入することはできます。ということは、ボロければボロい程フルローンに近づくと言うことですね。銀行によっては、結構条件もいいですし、審査も早いです。最近の実績では、2日間で審査結果が出ました。(上限は、500万円)

空き家・古家購入で利用する場合の都市銀行とは?

都市銀行については、なかなか厳しいです。個人の属性でのかなりのレベルか他の事業を行っている方になります。

空き家・古家購入で利用する場合の政府系金融機関とは?

政府系金融機関は、初心者の大家業をやる方にとっては、一番使いやすい銀行です。

それは、「2.事業融資」を使えることにあります。通常の銀行なら「2.事業融資」は実績を主に見ますが政府系は創業を応援するという建前で、実績のない方でも無担保のローン(再建築付加や違法建築なども考慮されやすい)の融資を受けることが出来ました。

しかし、「出来ました」と過去形になっているのは理由があります。2017年4月以降そのあたりが厳しくなっているようです。それでも他の銀行よりは、融資はやりやすい状況には変わりません。

金融機関とお付き合いする最大のポイントは?

金融機関とは信頼を得てお付き合いすることが大切です。まずは、一見ではなく誰かの紹介でお付き合いを始めるが大切。

  • 相手から見て信頼を得られる態度・行動も必要
  • 待ち合わせ時間は守る
  • 必要書類は事前に整理しておきすぐに提出できるようにしておく
  • 平日に動けることも必要

そして、長くお付き合いが出来るように条件面だけでなく信頼をつくることも意識しましょう。

 


POST: 2017.06.13