【恐怖!?】空き家投資用の物件を購入する時に気になる「事故物件」について詳しく解説

こんにちは。一般社団法人 全国古家再生推進協議会 理事長の大熊重行(おおくま
しげゆき)です。本日のテーマは「物件を購入する際に気になる、事故物件」についてです。それでは参りましょう。

事故物件とは?

近ごろ、「事故物件」というワードはよく言われるようになりました。あの物件は自己物件だ、とか、事故物件サイトで調べていたら近所にあった、とか。でも、多くの人はなんとなく、人が亡くなった家のことを事故物件と呼んでいるのではと思います。

そもそも事故物件とは、「心理的瑕疵」がある物件のことを指します。

例えば、自殺があった、殺人事件が起こった、孤独死が起きて腐敗した、などなど…そういった物件は、次に住む人にとってはなにか嫌な感じがしたり、気になったりします。瑕疵というのは欠陥などの意味合いで使われますので、そうした心理的な部分の欠陥がある物件ということになります。

注目度を増す事故物件

一般的に、事故物件は、次に借りたい人がいた場合、そこが事故物件であることを告知しないといけないとされています。しかし、ネットが普及するようになってからは、単なる不動産会社と客の1対1のやり取りの中で完結するものではなくなりました。どこかの物件で凄惨な事件が起きれば、ニュース記事になって拡散され、あそこは事故物件になったなと誰もが分かります。

また、あの物件はこんないわくつきらしい、という噂もまとめサイトやニュースなどですぐに拡散されます。そして、事故物件サイトのようなところで、地図上に物件の場所・物件名・事件の内容等が簡単に見られるようになりました。

事故物件は貸す側にとっても重要

それだけ多くの人に意識されているからこそ、事故物件は不動産業界、特に物件オーナーにとっては無視できない問題となります。さまざまな事故物件の事例を見てきた一般の人は、自分は借りる時に気を付けようと考えるでしょうし、ネット時代なので仲介業者さんも気にします。

その時に一番大きい影響を受けるのが、物件のオーナーです。もし自分の物件が不慮の事故によって、あるいは事件に巻き込まれて、住人が自殺して、事故物件になってしまったら、物件を借りる人が減るかもしれない、あるいは家賃を下げなければいけないかもしれないとなると、気を揉むことになります。

境が曖昧だった事故物件

しかし、この「事故物件」というもの自体も、色々曖昧な部分が多くありました。事故物件は、宅建業法で告知しなければいけないことが定められています。しかし、どのような場合に告知するか、の明確な基準は定められていないのです。

日本は高齢化が進む中で、自宅での老衰死や病死なども頻繁に起こっていくことが予想されます。基本的にそういったケースでは告知の義務はありませんが、死亡してから時間が経過して腐敗してしまい、虫が湧いたりした場合は告知が必要になります。しかし、何日経過したら告知の義務が発生するのか?などは不透明です。

また、間に1人挟んだら告知しなくてOKなのか、2人ならOKなのか、何年経過すればOKなのか、なども明確なものはありません。

国交省ガイドラインが発表

そんな中で、2021年5月20日、国土交通省は、「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」を発表しました。基本的にガイドラインというのは、法律ほどのものではありませんが、実際に法律を実行したり、現場で動くにあたって指針となるもので、そこで基準が明らかになったということになります。

そのガイドラインによれば、自殺、殺人事件、事故死などが起こった場合は告知が必要になります。そして、告知すべき期間ですが、当該事案が発生してから3年の間は必要ということになりました。また、老衰や病気などは告知しなくても良いですが、特殊清掃が発生するほど遺体が腐乱していた場合は告知が必要になります。

自分の物件が事故物件になってしまったら…対処法を解説

とはいえ、自分の物件が実際に事故物件になってしまったら焦りますよね。でも、大丈夫です。落ち着いていくつかのことをしっかりとやりましょう。

  1.  しっかりと警察なり然るべき機関に通報する
  2.  変な噂が立たないよう、周辺住民とのコミュニケーションを欠かさない
  3.  専門業者に特殊清掃を依頼する
  4.  神社などにお祓いを頼む
  5.  事故物件になっても焦らず、安くしたり、工夫をして物件の魅力を高める

事故物件になったとしても全て終わりというわけではありません。しっかりと出来ることをやって、物件の魅力を高めましょう。

まとめ

事故物件は、殺人や自殺、事故などが起きた時に、心理的瑕疵が発生したとして告知する義務が発生するものです。老衰や自然死は事故物件になりませんが、腐敗が進んで特殊清掃が必要になると、告知しなければいけません。

国交省のガイドラインにより、告知期限3年間と、上記の基準が明確になりました。事故物件はかなり多くの人が意識するものですが、もし自身の物件が事故物件になってしまったとしても、しっかり落ち着いてやるべきことをやり、物件の魅力を高めていきましょう。

動画でも解説

以上説明した内容については以下動画でも解説しています。良かったら以下よりご覧ください。
https://zenko-kyo.or.jp/youtube/7011-2/


POST: 2021.08.10