【第1話】「ECHOES(エコーズ)」開発秘話|大家が自らポータルサイトを使って入居者を募集できるサービス「ECHOES(エコーズ)」開発者に直接聞いてみた!
(以下、今回の動画の書きおこしです。※動画を見られない!って方はこちらをご覧ください。)
大熊氏:皆さんこんにちは!あなたの投資で社会が良くなる。一般社団法人全国古家再生推進協議会、理事長の大熊です。
今回の対談は大家業の強力な武器を作られた方をご紹介したいと思います。それは大家さんが自らポータルサイトを活用できるシステムを作り、そして賃貸不動産業界に革命を起こしています。実は全古協内では1年前に講演していただいた方です。それからさらに改良、進化していますので、今回全古協チャンネルで紹介しようという事になりました。また、革新的なこのサービスを作られた人物とは、そのサービスのきっかけなど、人物像にも焦点を当てて詳しくお話をお聞きしたいと思います。我々の賃貸不動産業界の仕組みは、これからの大家業としての知識をバージョンアップできればと思っています。
実は私もこのサービスを使いました。とても使いやすくて反応もすぐにありました。残念ながら他の業者からの入居者で決まりましたが、ネット上で何かしらの影響があったのではないかなと思っています。次回募集する際も必ずやりたいと思っています。第二部ではECHOESの使い方などもご紹介してもらいますので、最後までお聞きください。それではご紹介します。大家さんが自らポータルサイトを使って入居者を募集できるサービス「ECHOES」の生みの親、株式会社SIRE代表取締役の木津雄二さんです。こんにちは!よろしくお願いします。
木津氏:こんにちは。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
大熊氏:ではまず簡単に自己紹介をお願いいたします。
木津氏:今ご紹介いただきました株式会社SIREの木津と申します。よろしくお願いいたします。今ご紹介いただいたECHOES(エコーズ)というサービスを開発、運営している会社でございます。その代表をしております。よろしくお願いいたします。
大熊氏:ありがとうございます。今日はECHOESのサービスの事だけではなく、木津さん自身のこともちょっとお聞きしたいなと思っております。
まず、木津さんはどんな学生でどんな仕事をしたいと思っていたんですか?
木津氏:ありがとうございます。皆さんご興味いただいている内容なのかちょっとアレですけど(笑)学生の時は特に何かこういう仕事をしたいってことは特になくてですね、就職活動する時もなんとなくミーハーでテレビ局に行きたいと思って民法各局の採用面接に行って、そこのどこかに行きたいって、ほぼそれしかしていなかったです。でも結局難しいですね。テレビ局に行けなくて。それで全部落ちた時にさぁどうしようとリクナビを見たんです。就職サイトのリクナビを見て急に悔しくなったんです。このリクルートという会社に僕は何か色んなものを握られているぞと思って悔しくなりまして(笑)それでリクルートの各社をブワーっと受けたんです。その中で何社か決まってリクルートグループに入りました。当時何をしたいという事は無く、当時何くそ!という思いでリクルートグループを各社受けた、そんな学生時代でした。
大熊氏:珍しいですね。リクルートは皆さん見るだろうけど、リクルート自身に興味が出るというのはなかなか珍しいんじゃないかな。でも僕も元リクルートの方とお話することがあるんですけど、どんどん独立していく社風じゃないですか。
木津氏:そうですね。
大熊氏:そんな思いがあって行った訳じゃないという事なんですね?
木津氏:全然違くてですね、私がリクルートグループを受けて、色々な会社があるんです。その中で私が入った会社が当時リクルートコスモスという名前で、リクルート内では珍しく不動産の実業をやっている会社だったんです。マンションデベロッパーに入りまして…
大熊氏:そうか…普通リクルートってほぼマッチングビジネスですもんね。
木津氏:はい。その中でグループの中でも異色でしたね。不動産の実業をやっているリクルートコスモスという会社に入って、今はコスモスエニシアという名前になっていますけど、そこで不動産と初めて出会うという事で、全く不動産に興味が無かったです。
大熊氏:コスモスはSUUMOとはまた違うんですか?
木津氏:違います。本当にマンションを建てて売る会社でして、そこで私はマンション用地、土地を買ってくるっていう開発の仕事をしばらくしていました。そこで不動産にグッとのめり込んでいくんです。
大熊氏:なるほど。それからどういう系胃のもとにECHOESを作ろうという話になっていくんですか?
木津氏:結構色々経緯はあるんですけど、まずマンションデベロッパーの中で用地を買ったりする仕事、開発の仕事をしていて不動産に興味をもって好きになってくるんです。ですがその後すぐにリーマンショックがありました。2006年の新卒入社で入って…
大熊氏:もうすぐですね!
木津氏:そう。すぐリーマンショックがあってですね、結構良い時代だったんです。プチバブルみたいな形で盛り上がって良い時代だったんですけど、そこで一気に経済変動で会社が傾いて、リクルートコスモスという会社が当時600人社員がいたんですけど、これを300人にするという…
大熊氏:リクルートですらそんな状況だったんですか?
木津氏:そうなんです。リクルートのグループの会社の1つですけど、そういう事があって、今では考え方が少し違いますけど、当時はBSを使った不動産の商売はもう嫌だなって思っていたんです。マンションデベロッパーって土地を買ってマンションを建築してBS上に棚卸し資産を計上してそれを販売して差益を得るという、そういったBSを使った商売がデベロッパーだと思うんですけど、それにリーマンショックで懲りてですね、その後にPLで手数料であるとか顧問料とかコンサルティングなどで報酬をいただけるような不動産のプロになりたいとに思って賃貸管理会社にその後転職しました。リクルートグループと離れて、リクルートコスモスの方が独立してやっているという管理会社がありまして。
大熊氏:その時はECHOES(の構想)はまだ何もなかった状態?
木津氏:全然何も無くて。そこで賃貸経営と出会うんです。これは面白いぞと思いまして、しばらくは管理会社に委託しているオーナーさんからすると物件管理の仕事を3年ぐらいしっかりやっていたんです。ただそれって面白かったんですけど、このままで良いのかなと思ったんです。その時にこれから不動産とITが来るんじゃないかということで、急に思い立ってSUUMOに転職するということがありました。
大熊氏:出戻りなんだ?
木津氏:出戻りなんですね。
大熊氏:そういうことはリクルートではあるんですか?
木津氏:無いので…本当にただの転職なんです(笑)
大熊氏:あまり聞かないですよね。
木津氏:そうです。だから、普通に面接を受けてもう一回入社するという。グループの中で出戻りみたいな形になるかもしれないですけど、会社のホームページに直接メールをして「僕は今賃貸管理のことを勉強している。これは絶対SUUMOに活きるはずだ」とメールを打って転職しました(笑)
大熊氏:なるほど(笑)ちょっと変わっていますね。
木津氏:変わった入社の仕方かもしれないですね。SUUMOの中では6年間仕事をしていたんですけど、前半3年間は広告の営業をしていました。いわゆるバナー広告であるとか、ポータルサイト掲載の広告であるとか、不動産と広告ってどういう関係性なんだろうみたいなのを一生懸命勉強したのは前半の3年間。後半の3年間で新規事業の開発をやりまして、そこで担当していたのが不動産オーナーさん向けサービス開発の担当していました。そこでECHOESの着想を得たという形です。
大熊氏:もともと不動産が楽しい、賃貸不動産が楽しい。そこにまたITが入ってきたという事なんですけど、不動産のどういった所が具体的に楽しいですか?
木津氏:やはり私が1番最初に思ったのが、触る人によって価値が全然変わるという所がすごく面白いなと思いました。というのも元々マンションデベロッパーをやっていた時に昔私が建てさせてもらったマンションがありまして、スポットでいうと…言葉を選ばずに言うとあまり綺麗な土地じゃなかったんです。ですがそこの土地を買わせてもらってマンションをパリッと建てるとパーッと地域が明るくなりますし、そこでお子さんが生まれて洗濯物が干してあったりすると、土地ってやっぱり触る人によって全然価値が違うと思ったのがすごく面白かったです。賃貸経営もそうで、私のいた管理会社が元々は再生系の管理会社というか、あまり調子が良くないオーナーさんや資産家一族の物件をどかっとサブリースさせてもらって、バリューアップしながら30年かけて一族を再生していくみたいなそういった仕事を結構やっていた管理会社でした。お金周りや相続、節税、リファイナンスとかもそうなんですけど、やはりかかわる人によって全然変わっていくというのが不動産の面白みだなと思っていて、それで好きになったというのもあるんです。
大熊氏:なるほどなるほど。先ほども言ったように売買の経験もあって賃貸の経験があって、その上ITの経験もあるとなると、これはなかなか業界的にもいないでしょうね。
木津氏:それも本当にそうで、SUUMOにいた時も思っていたんですけど、SUUMOにいる人って不動産の情報の事はよく知っているんです。ITの事もよく知っているんですけど、不動産の現場のことを知らない人が多くて、そういった意味でいうとあまりいないタイプだったと思います。
大熊氏:なるほど。ビジネスの組み立て方というのを学ばれたというか、どういう風に得られたんですか?
木津氏:新規事業の開発をしていた時にリクルートの事業の立て方であるとか、どのように検証を繰り返してこれをスケールさせていくのかみたいな事業開発のいろはは実務で勉強させていただいたような形です。今回のECHOESについてもその時に教えてもらった内容を踏まえて事業を組み立てているような形なので、それを教えてもらったのは大きかったですね。
大熊氏:ちょっとさわりをいうとどんな感じなんですか?そのビジネスの組み立て方。
木津氏:私みたいな人間が偉そうにいう話じゃないと思うんですけど、私の思う所でいうと、新しい事業というのは事業を起こす側が儲けてやろうみたいな話でいきなり始めても、まぁ上手くいかないということ。相手側に提供できる価値、これは何なんだ?ということをしっかり考えていかないとやっぱり上手くいかなくて、その価値がベターのものは売れないです。マストなものじゃないとヒットしない。あれば便利だなと思うものはいっぱいあると思うんですよ。そうなんですけど、そういうもので勝負ってなかなかしづらくて、必要なのはこれが無いと困るっていうそういう価値を作れるかどうかが勝負だと思っていて、ECHOESはそういうのをすごく大事にしています。
大熊氏:なるほど!それでいうと最近不動産テックという言葉をよく聞くんですけど、言葉ではわかるんですけど、どういったものなんですか?
木津氏:本当にテクノロジーで不動産業界を良くしようということでやられている会社さんが非常に多くて、でも多くは不動産の事業者向けのものが非常に多いかなと思うんです。ファックスでやりとりしているものを電子化しましょうであるとか、今人が手でやっていることをロボットでプログラムを組んでやりましょうとか、不動産事業者の業務の効率を上げて手間を削減しましょうみたいなサービスが今非常に多いかなと思いますね。
大熊氏:業界的にちょっと遅れている業界ではありましたもんね。
木津氏:そう言われますよね。私も現場に行ってそう思った事は多々ありますね。そういうのがあって、それは良いなと思うんですけど、そういう業務改善みたいなサービスがテックの一括りであるとしたら、もう1個は不動産にありがちなんですけど、オーナーさんがいて入居者さんがいて、この間にいろんな事業者さんがパートナシップで働いているわけなんですけど、ここを取っ払って省いちゃおうみたいなサービスが非常に多いなと思っています。間を抜こうみたいなサービスが多くてちょっと私は悲しいなと思っているんです。私の目線からすると既存の不動産業界で働いている方へのリスペクトがあまりないテック業者さんが多いなと思っていて…その辺はちょっと私は思う所があります。
大熊氏:異業種だからそういう発想になるのかもしれないけども、現場を知らないということもあるかもしれないですね。
木津氏:そうなんですよね。ですからECHOESは結構その辺に気をつけているというか、私も元々現場上がり、管理会社上がりですし、リクルートを辞めた直後自分で賃貸仲介店舗を経営しているんです。今も店舗を経営していますが、仲介の現場も大事にしていますし、既存の一生懸命やっている会社さんが活きるようなテックサービス、これが良いだろうなとずっと思っているんです。
大熊氏:確かにそれはわかります。この後また仕組みを説明してもらいますが、その仕組みの中に管理会社がしっかりとフォローするというか、環境を作っていくということにちゃんとなっていますので、そういった意味では確かに今言われた通りだなと思います。次に木津さんが今感じる不動産業界についてどう考えられていて、将来こうなるよみたいなイメージみたいな物は何かあるんですか?
(次回へ続くテロップ)
大熊氏:皆さん、いかがでしたでしょうか。この続きは次の動画でもご紹介いたします。お楽しみにお待ちください。
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