【第2話】電子契約のガイドラインについて|大家が自らポータルサイトを使って入居者を募集できるサービス「ECHOES(エコーズ)」開発者に直接聞いてみた!
(以下、今回の動画の書きおこしです。※動画を見られない!って方はこちらをご覧ください。)
大熊氏:次に、木津さんが今感じる不動産業界についてどう考えられていて、将来こうなるよというイメージみたいなものはありますか?
木津氏:先ほど大熊さんがおっしゃっていただいたみたいに無駄が多いとか遅れていると言われている所が結構あります。でもこれは今どんどんIT化が進んでいっていて、特に次の5月に電子契約のガイドラインが出る予定というか見込みになっています。こうなってくると契約の時の宅建士の記名押印であるとか、紙での書類交付みたいなのが要らなくなるみたいな事になってきます。
大熊氏:あれは賃貸は前からあるんですよね?
木津氏:いや、賃貸も記名押印と紙での交付はまだ必須なんです。
大熊氏:そうなんですか?何かオンラインでやっているというのは?
木津氏:ITでの重説はできます。そうなんですけどそれを紙でちゃんと交付する、郵送作業と同時なんです、今は。
大熊氏:ダブってしないといけないのか…
木津氏:そうです。ですから完全なオンライン化はまだできていないんです。これが本当にオンラインで完結できるようになるのはこの5月以降ですね。そうなってくると今テックの業界でも電子契約サービスをいろんな会社が出していて、今一気に営業をかけていますけど、業界がまた一旦変わると言われているのはこの繁忙期明けに大きな動きが1つあると思います。
大熊氏:契約にしてもどこを使うかみたいな事になってくるでしょうね。
木津氏:そうなんです。いろんな電子契約サービスを提供している会社もしのぎを削って「ウチはこういうサービスがある」「ウチはこのサービスがある」ということ(営業)が今業界では凄いですね。
大熊氏:ちょっと転換期かもしれないですね。
木津氏:まさに転換期ですね。おそらくそういう流れに乗ってオンラインの契約で直接つないじゃおうみたいな会社もどんどん出てくると思うんです。かなり過渡期になっていますね。
大熊氏:不動産業界というよりも不動産投資についてはどう思われますか?
木津氏:私もいろんな大家さんにお会いしているんですけど、本当にいろんな方がいらっしゃいますね。目的も様々ですし、いわゆる地主系の地元に責任を持たれてやられている方もいますし、投資家系みたいな方もいらっしゃいますし、管理の仕方も自主管理や委託管理と本当にそれぞれで、セグメント分けしましょうかといってもぴったり分けられないですね。
大熊氏:物自体も全然違いますしね。
木津氏:そうなんですよ。全然違う人がいてですね、いろんな人がいるなと思うんですけど、やはりこれから会社でサラリーマンで勤めあげるみたいなことも稀になってくるというか、あまり一般的じゃなくなってくる中でいうと、自分の何か別の柱を持とうというお話は凄く良い話だと思いますし、やり方によっては社会貢献ができる柱になってくると思います。私自身もやっていますし、皆さんに言うのは恥ずかしい位ですけど(笑)細々とやっております。
大熊氏:区分マンションとかですか?
木津氏:そうですね。私の場合はワンルームとかではなくファミリータイプの普通に売られているような分譲のマンションとか、分譲貸しみたいなものを少しやっていますね。
大熊氏:やっぱりちょっとでも安定した収入が別にあるというのは精神的にも違いますもんね。たとえそれが最初5万円でも、10万円20万円になってくるとだいぶ違いますよ。特に事業者になればなるほどね、経営者になるといろんな浮き沈みがある中でやはり家賃収入がある、下手したら社長は給料もらえない時も出てくるかもしれない。その時にたとえ少しでもそういうのがあるとやっぱり安心なんですよね。
木津氏:変な話私リクルートを辞めて独立してから1年間は給料日なしでした。でも不動産があるので、その辺は家族としては大丈夫だった所があります。
大熊氏:やっぱりそういうことやなぁ。たくさんの大家さんと今もお会いすることがあると思うんですけど、正直大家さんって先ほど言われましたように色んな人がいるから一括りには言えないですか?
木津氏:そうですね、でもあるとしたら自分の事をなんだと思っているのかっていうのは人によって色々違うんですけど、投資家だと思っている人とか経営者と思っている人とか、いろんなパターンがありますよね。大家さんだと思っている人とか、それは色々あると思うんですけど、上手くいっている方は自分が経営者だと思っている人が上手くいっているかなというような印象があります。
大熊氏:ちょっと投資という名前に誤魔化されるかもしれないけど、株とはまた違いますもんね。
木津氏:そうなんです。やっぱり事業なのでしっかり自分で手を入れて。金融商品を扱っているわけじゃないので、その辺は自分を賃貸不動産業の事業の経営者として考えて自分で動かれている方が成功している感じがしますね。
大熊氏:独立されて今何年目になるんですか?
木津氏:今4年目になります。
大熊氏:独立した時から今4年目を迎えてどうですか?
木津氏:最初は3人で小さな賃貸仲介の店舗を作って、そこで3人で営業して何でもやりました。リモートワークをするのに会社のサーバーを立てて外から接続するのも全部自分でやりますし、経費の精算から経理の帳簿からそのメンバーでやらなきゃいけないしで、全部のことを自分でやるということで会社ってありがたかったんだなって凄く思いました(笑)最初社員3人で始めたけど今17名になってすごい勢いで人も増えて、昔は人事って何の仕事してるんだろうなと思っていたんですけど、これだけ人数が増えてくるとやっぱり人事も必要なんだなとか身に染みてわかってくるという(笑)
大熊氏:社長の椅子はどうですか(笑)?
木津氏:いやもう全然…私ですね、背もたれのない椅子に座っていて(笑)全然関係ないですね。うちの会社でいうとむしろ現場でオペレーションしている皆の方が偉いというか。
大熊氏:普段どういう仕事をされているんですか?
木津氏:私は外へ出るという事が仕事ですね。セミナーをさせていただいたり、いろんな方とコミュニケーションをとってと、ECHOESの営業活動が私の仕事です。後は戦略ですね。方向性をどうするという話を決定していくのと営業が仕事なので、私が社内にいると「社長ちゃんと仕事をしてください」って言われる(笑)色んな所に行ってくださいっていう感じですね。
大熊氏:そうするといろんな方とお会いする中でポータルサイトと関係を持ってやっているのでポータルサイトの方とお会いする機会もあると思うんですけど、最終情報とかそんなのも含めてどういった話があります?
木津氏:「繁忙期の動きはどうですか」とかいう話を数字上でお話を聞いたりすることもありますし、最近ポータルサイト業界もちょっと変わってきていて、どんどんいろんなサイトが出てきているんですよ。アプリも含めて。
大熊氏:リクルートとか有名なサイトで寡占状態じゃないんですか?
木津氏:今はそうです。基本的にはSUUMO、ホームズ、アットホームのこの3つがほぼほぼ…特にSUUMOが賃貸全体の反響の7割を取っているんじゃないか位言われることもあります。その大手が当然いるんですけど、これはなんていうか通販の業界でいうとAmazonみたいなもので、画一的に色々な情報を比較検討して選択しやすくしているようなサイトなんです。ただより濃いターゲットをセグメントしたこの狭い領域ではこのサイトがものすごく良いよとか、例えばアプリでユーザーに寄り添った部屋探しをするんだったら最近こういう新しいのが出てきているよとか、例えば入居者さんの中でも初期費用が払えないとかいろんな経済状況で悩みを抱えている人だとこういうサイトが良いよとか色んなものが出てきているので、大手のポータルサイトも今のままではビジネスは続かないと思われていますし、次の戦略に手を打たれているなという感じがします。
大熊氏:そういった意味ではECHOESさんと組むこと自体が戦力に合っているんですか?
木津氏:組むというか、そうですね…ECHOESはポータルサイトに掲載をさせていただくいち取引会社の立ち位置なので、おこがましく組んでやっているとかは全然無いんですけど、各ポータルサイトさんがおっしゃるのは、大家さんとECHOESは直接繋がっていて、それを全国的に広げていっている会社なので凄く注目していただいているとは思います。
大熊氏:なるほどね。ちょっと話が変わりますけど、最近ちょっと仕事とプライベート関係なく何か面白い出来事とかなかったですか?
木津氏:仕事でいうと、この間ペットを飼いたいという方でどこも受け入れてくれないという話で問い合わせがあって。どんなペットですかと聞いたらインコなんですっておっしゃるんですね。インコだったら別にカゴに入っていますし良いんじゃないですかって聞いたら、2羽なんですとおっしゃって。それでよく聞くと、2羽集まると会話を始めちゃってものすごいうるさいらしいっていう話があって(笑)そういうことで悩む人もいるんだみたいな、これは意外に面白かったです。
大熊氏:え、それ人間の言葉で会話するんですか?
木津氏:そうなんですよ。その方はアパートで飼われていたみたいなんですけど、周りの方から「あそこはいつも人を呼んでパーティーしているからうるさい」みたいなクレームが入って。それは結局戸建てが良いんですと言って古家再生された物件に入居されましたけど、それは社内で結構話題になりました。面白かったです。
大熊氏:それは面白いね。隣の人は3人ぐらいで話していたと思っていたかもしれないですね。
木津氏:そう!「いつも人を呼んでる!」って(笑)インコだった。
大熊氏:ちょうど今話に出た空き家再生のお話を聞きたいんですけど、不動産の中で空き家投資というのはどう思われますか?
木津氏:私は結構行政の方とお話をすることもありますけど、社会的な意義があるものだと思っています。そのままにしたら廃屋になって火事の危険もある物件もありますし、そういったものをちゃんと再生していくというのはすごく意義のある事業だなと思っています。これは行政側からしても、戸建ての賃貸が市内にできる。これはすごく子育て世代の人口流入に大きな影響があって。もっと個人投資家さんが古家を買ってやるというレベルじゃなくて、もっと行政を含めて戸建ての賃貸を増やしていくんだって働きはどんどんやっていくべきだなと個人的には思います。
大熊氏:これが築古と相反するところが、新築をどんどん建てるというこの行政の仕組みがあって、かといって空き家をなんとかしてというところがあって、矛盾が政治的に難しいでしょうね。
木津氏:やっぱり新築をどんどん建てるんじゃなくて、今あるものを生かしていくというのはすごく大事だと思いますし、今賃貸業界、例えばSUUMOに掲載されている戸建て賃貸を見ても、圧倒的にニーズに対して戸建ての数が少ないんです。
大熊氏:そうですよね。
木津氏:お子さんがいらっしゃってマンションやアパートじゃなく戸建てで子育てしたいと思っている人がいても、戸建てを買うってことになっちゃうよりかはやっぱり借りたいんですよね。住居費を抑えて借りることを選択したい人はたくさんいるはずなのに、それが市場にあまりまだ無いなと思っています。だからどんどん戸建てを増やした方が良いかなと思います。
大熊氏:先程のペットの話もそうですけど、まだまだペットを飼われている方はコロナ禍で増えていますし、そういった方の選択肢を増やすことが大事かなと思います。我々がやっている空き家再生とECHOESの関係性、1年前にも講演でお話ししていただいたんですけど、その辺はどうですか?
木津氏:非常に親和性があって、これは第二部でもお話しするんですけど、ECHOESで成約がどんどん出ていますけれど、半分は戸建て物件の成約なんです。ですからとにかく戸建ては決まりやすいです。ECHOESって。それは何故かという話なんですけど、特に古家再生した物件の戸建てってポータルサイトに出やすいかというと出にくい方向にあるなと思っています。仲介の会社さんが積極的に募集をしたがらない所もあるんです。諸説ありますが、物件自体がレアなんですよね。それでお問い合わせをポータルサイトからもらった時にこの物件を紹介するじゃないですか。でもこの物件で成約にならなかった場合、物件がレアなだけに他に振りづらいんです。なのでお問い合わせをとって無駄になる確率って結構あるんですよ。そういった意味では仲介の会社さんからすると汎用性の高いお問い合わせを取ってどこでも決められるような環境が欲しいと思っているので、古家の物件を掲載するよりも例えば1Kや1LDKのマンションとかを載せていく方が儲かりやすいというか、売り上げにつながりやすいということで、ポータルサイトになかなか載らない傾向があるんです。そういった意味だとECHOESはオーナーさんが入稿さえすれば必ずSUUMOやアットホームさんに載りますので、そこにすごく活路があるんじゃないかなと思います。
大熊氏:なるほどね。確かに僕も掲載して反応は早かったですね。
木津氏:SUUMOなんかを見ても全体からすると2%位しか戸建てってないんですよ。だから載せていただくとニーズに引っかかりやすいですね。
大熊氏:そのついでなんですけど、この戸建て賃貸と言えば私たち一般社団法人全国古家再生推進協議会という長々しい名前なんですが(笑)この組織はご存知だと思うんですけど、当協議会の組織としてどんな印象をお持ちですか?
木津氏:私もいろいろ古家再生をされている…最近流行ってきているので、すごくしっかりされているんですよ。プランナーさんもいらっしゃって。古家再生って誰もが簡単にじゃあすぐ始めようかというと出来なくて、例えば構造躯体であるとか雨漏りとかシロアリとか傾きとか、こういったものをちゃんと目利きで見てそこをしっかり確実に直していくということ。これのベースの品質がしっかりされているのが全古協さんだと思うので、そういった意味でいうと色々古家再生をされている事業者さんがいると思うんですけど、社会に対する責任をすごく大事にされているなという印象があります。かつプランナーさんでいうとしっかりやるとコストがかかりすぎちゃうので、そこをどうやって賃貸の収益性とのバランスをとっていくのかみたいなところもしっかり体系立てて教育されていると思うので、その辺は素晴らしいなと思っていつも拝見しています。
大熊氏:ありがとうございます。一応そこを狙って頑張ってます(笑)
木津氏:まさにそんな協議会さんだなと思って認識をしています。
大熊氏:全然知らない方でもそういう教育がちゃんと受けられてリスクなくやっていける形を、組織的に全国でできるというような形を作るというのが我々のやっていることなので、これはなかなか他の組織では無いかなと思っているんですけどね。ありがとうございます。ここまで木津さんの人柄であったり、ECHOESを作られる経緯をお聞きしたんですけど、第二部ではECHOESの実際の説明であったり、使い方であったりとか、ちょっとしたデータの事などその辺をお聞かせ願いたいなと思います。
それでは次回は引き続きECHOESの解説、使い方などをご紹介させていただきます。ぜひお楽しみください!
皆さん、如何でしたでしょうか?この続きは次の動画でもご紹介いたします。お楽しみにお待ちください。チャンネル登録していただければ公開のタイミングでご案内が届きますので便利です。それではまた!
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