空き家リフォームをDIYしてはいけない理由とは?
(以下、今回の動画の書きおこしです。※動画を見られない!って方はこちらをご覧ください。)
あなたの投資で社会が良くなる。一般社団法人全国古家再生推進協議会、理事長の大熊です。それでは参りましょう!本日のテーマは【空き家リフォームをDIYしてはいけない理由】についてです。
最近YouTubeでもよく見かける空き家DIY。本日はこの危険性をお伝えしたいと思います。
それでは本日のテーマ【空き家リフォームをDIYしてはいけない理由】についてお伝えいたします。
最近空き家を買ってDIYをして高い利回りを得ようという話が多いですね。「数万円でできるリノベーション」とか「50%利回りを得る方法」だとか魅力的なキャッチコピーが目立ちます。また田舎の一軒家を買って、仲間でDIYをする田舎暮らしをPRするものもあります。そういった記事やSNSなどを見るときの注意点があります。その辺の話をしたいと思います。
まずは目的を明確にするということです。空き家再生をDIYでするのは良いのですが、その目的が大切です。趣味でやるのか?自分の住む家のためにやるのか?投資としてやるのか?それをはっきりすることが大切です。ゴールを明確にしていないと、頑張っても気づいたら全然ゴールとは違う所に着いていたなんてことになったりします。
趣味の一環のDIYなら何も問題はありません。1人でも仲間と一緒にでも、とにかく楽しくやることが良いですね。
そこで気をつける事は、あまり無理なスケジュールを立てないこと。いつまでに仕上げるとか、期日を設ける事は大切ですが、慌てることで怪我や事故がないようにすることが肝心です。素人がやるので当然思い通りにはいきません。それすら楽しむ気持ちが必要です。
また全てのDIYをしようとすることも危険です。屋根や壁の高所作業が必要な所など、危険が伴う所は専門家に頼んだ方が良いと思います。自分でやる所と頼む所をしっかりと分けて考えましょう。
知人から外壁塗装屋さんの職人が屋根の上から落ちて下半身不随になった話を聞いたことがあります。楽しみが苦しみに変わっては元も子もありません。巷のYouTubeやSNS等の情報の中には、そういった危険性のことを全く考慮に入れていないものがあります。気をつけてください。
そして今回の本題!不動産投資としてDIYをどのように考えるかです。
まずはメリットとデメリットを挙げて考えてみましょう。
メリットとしては、やはり工事が安くついて利回りが高められる、そして自分がイメージしているデザイン等にできることが挙げられます。
でもちょっと待ってください。このメリット、本当にメリットですか?工事が安くつくといっても、材料はそれほど変わりません。工事の中で安くなるのは主に人件費になります。では、自分でやる場合の人件費は計算に入っていますか?ほとんどの方はこの計算ができていません。メディアやSNSで見ているものはこの計算が入っていません。職人と同等の技術を持った方や、一部の特殊な器用な人以外は同じ工事をしても2倍や3倍の時間がかかります。当然ですね。時には終わらないこともあるのです。
私がたくさんの空き家を見に行って見かける光景DIY途中の売却物件です。おそらく自分でDIYしようと思ってやりだしたけれども、気持ちが切れてしまったのではないでしょうか。「こんなに大変だと思わなかった、こんなに時間がかかるとは思わなかった」となってしまったと思います。実際にそんな方にも会いました。不動産屋さんからも聞きました。
また、家族のための投資として始めたが、DIYをすることで大切な家族と過ごす時間が削られていく矛盾。全ての価値は時間だという話を聞いたことがあります。仕事やお金を稼ぐ行為そのものが、自分の自由な時間を得るための行為であるということです。そうであるならば、1番大切な時間を使うことで安くなるという発想はおかしいですね。
2つ目のメリットである自分の思い通りになる点。そもそも自分の思い通りになることが目的なのでしょうか?最初に話した趣味や楽しみでやるのなら良いですけれど、投資としてやる場合に、自分の思い通りになることが良いのでしょうか?
大家業のお客様は入居者です。入居者のためにある事が本来の姿ですよね。その上で費用対効果を考えたデザインや工事であることが求められます。またDIYでの工事の結果入居者が怪我をしてしまったなんて事になったら、損害賠償の対象にもなります。決してオーナーの思い通りのリフォームが必要なわけでは無いのです。
そう考えるとDIYのメリットとして挙げられる2つの事は、実はあまりメリットではないという事がわかります。
ではデメリットからも考えていきましょう。
まずDIYでやった場合は、入居者からのクレームが多いです。どうしても素人がやるので、十分な施工になっていなかったり、しないといけない所の漏れがあったりするのです。それで入居者から何度もクレームになります。酷い場合は家賃の減額をされたり、退去になったりする事があります。賃貸専門の工事業者はそういった知識と経験があるからこそ、仕事として成り立っているのです。
そういった入居者からのクレームはどこに行くのか?管理会社や、入居を決めてくれた不動産業者に行くのです。そのクレーム対応に追われて通常の仕事が出来なくなるのは当然管理会社も不動産業者も嫌ですよね?面と向かっては言わないけれど、結局DIYをする大家さんは嫌われるのです。賃貸不動産業者も管理会社も、大家業の大切なパートナーです。自分の資産形成をするのと同じように、関連業者さんも利益のために仕事をしています。そのことを理解し、お互いの利益のためのパートナーであることが、信頼され次の空き家投資にもつながることになります。好かれる大家さんになると入居付けを頑張ってくれる事はもちろん、物件を紹介してくれることもあります。
工事業者も同じく大家業の重要なパートナーです。工事を安くするためにDIYしたけれど失敗した…その手直しを頼んだり、入居後のクレームの修理を頼んだりすると、工事業者は気分良くないですよね?便利に使われているだけと感じるのではないでしょうか。工事業者との信頼関係は大家業としては必須です。投資物件をシミュレーションするにしても、災害等のときの対応してもらうにしても、工事業者の協力は欠かせません。
数年前の関西の地震の時にたくさんの瓦が落ちました。まずは入居者の為にも臨時で応急処置をしなければなりません。しかし被害が大きかったので瓦はもちろんのこと、ブルーシートすら品薄になりました。その時あなたが工事業者ならどうしますか?まずは信頼関係のあるお客様を優先しますよね?そういった関係を常に作っていくことが大切なんです。
最後に自分の時間が削られることです。
先ほどもお話ししたように、時間は有限で一番価値のあるものです。その時間を効率的に使うことで、将来の自由な時間を得ることができるのです。投資家、大家業として何が1番重要か?自分がやるべき事は何なのか?もう一度確認してください。専門家に任せることで自分は次の投資の情報収集や知識の向上に集中しましょう。そして何より、家族や大切な人との時間を削るのはやめにしましょう。
ということで、私はDIY自体は悪くは無い…しかし投資目的でのDIYは危険だと思います。全古協の宣言にもある「四方良し」にもなっていません。今回の話ぜひ参考にして考えてみてください。
これからも空き家投資の情報をどんどん録画していきますので、チャンネル登録、それからイイネもよろしくお願いいたします。さようなら!
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