こんにちは、(一社)全国古家再生推進協議会の認定サポーターであり、古家再生投資プランナーⓇでもある女性投資家Mです。
秋風もすっかり冷たくなり、空き家に入ったときの足裏の寒さが辛い季節になってきましたね。
さて、空き家・古家物件見学ツアーの密着レポート、第4回目は東海エリアを取材させていただきました。東海エリアでは、岐阜県の「可児・多治見」「大垣」の2つのエリアでツアーが開催されています。今回は「可児・多治見エリア」について、2020年11月7日(土)に開催された「空き家・古家物件見学ツアーin可児・多治見」の密着レポートをお届けします!
「可児・多治見エリア」の概要については、先日の記事にまとめておりますので、「可児・多治見ってどんなところ?」と気になる人は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
▼可児・多治見エリアの紹介記事はこちら
目次
「空き家・古家物件見学ツアーin可児・多治見」スタートはJR多治見駅から
可児・多治見ツアーの待ち合わせ場所は、岐阜県のJR多治見駅です。当日はあいにくの雨天。濡れてしまわないように、待ち合わせ場所の駐車場に到着した人から、順に車に乗っていきます。
今回の参加者は、古家再生投資プランナーⓇの男性5名に、見学者1名と取材担当の筆者。そして、可児・多治見ツアーを主催する和工房株式会社の松久保社長と森古家再生士Ⓡを加えた、計9名です。森古家再生士Ⓡから物件資料を配布してもらい、車2台に分かれて出発します。
今回見学する物件は、売物件3軒とのこと。現在工事中の物件はすべて他県にあるため、残念ながら今回のツアーでは見学ができません。売物件は、3軒とも西可児駅周辺の物件です。
「3軒だと時間余ってしまいませんか?」という私の質問に対し、「そんなことないですよ!」と森古家再生士Ⓡ。可児・多治見ツアーでは、1軒につき約40分と、時間をかけて見学を行うとのこと。「そんなにじっくり、どこを見るのだろう…?」と疑問と期待を胸に抱きつつ、1軒目の物件へと向かいます。
【1軒目】売物件: 屋根に意外な修繕リスクが潜んだ戸建て
1軒目は、西可児駅から徒歩10分程の住宅団地にある、築48年の戸建て。180㎡の土地に建つ、2階建の4LDKです。この団地内には、新築もちらほら見られ、新しい住宅需要もあることが感じとれました。
可児・多治見の物件見学ツアーは、みなで一緒に見学していく勉強会スタイルです。松久保社長と森古家再生士Ⓡが、物件のチェックポイントや再生内容を解説してくれます。例えば、LDKの室内では「意外と見落としがちな洗濯機置き場。この物件の場合はどこに置くのがベストか?」「サッシの動きは要チェックポイント。動きが悪いことによる修繕リスクや交換費用は?」といった話がでました。古家再生士Ⓡの解説をききながら、参加者が疑問点を質問できることで、古家再生の知識がぐっと深まっていくことが実感できます。
物件は、1階に広いLDKがあり、使い勝手の良さそうな間取りです。比較的状態がよく、「リフォーム費用もほとんどかからないのでは?」と感じていましたが、2階に移動すると、屋根を見た松久保社長から「あー、この物件は厳しいね」とコメントが。
屋根のスレート瓦の状態が、塗装では修繕困難なほど悪く、葺き替えするしかないレベルとのこと。そして、スレート瓦にはアスベストが含まれており、処分費用が非常に高額になるそうです。この物件は屋根の面積が広く、形も複雑であり、葺き替えが必要な面積も広範囲にわたります。そのため、トータルの修繕費用がかさむ可能性が高く、修繕リスクが大きいことから「収益性が合わない物件」との判断がなされました。
ちなみに、スレート瓦は一見すると本瓦のように見えるため、1階から見分けるのはとても難しいです。屋根の状態が、できるだけしっかり見える箇所から確認する必要があります。その際、スレート瓦は本瓦に比べて厚みが薄いので、厚みで見分けるのもひとつのポイントです。ただし、「どこまで劣化していたら塗装できないか」など、状態の判断は難しいため、判断に迷った時は古家再生士Ⓡに相談することをおすすめします。
【2軒目】売物件: 屋内外ともに状態良好な角地の戸建て
2軒目は、西可児駅から徒歩20分、閑静な住宅団地にある4DKの戸建てです。築41年で、2台分の駐車場と庭があります。
まずは、皆で外観のチェックから。森古家再生士Ⓡより、外壁のヘアクラックと構造クラックの違いについて、解説を受けました。この物件は、ほとんどクラックがなく、直近での外壁塗装は必要なさそうです。しかし、念のためとして、外壁工事に必要な費用の半額を、未来予算としてリフォーム費用にいれておくことになりました。そうすることで、購入してしばらくしてから工事の必要に迫られても、購入時に想定した表面利回りを維持することが可能になります。
続いて、屋内のチェックへ。一部床の歪みがあるものの、全体的に状態が良い物件です。水回りもキレイで、設備はそのまま使用できそうです。ここでは、床の歪みについて、下地から傷んでいる場合と、上板だけが傷んでいる場合の見分け方について教えてもらいました。
買付希望がバッティングしそうな予感のする物件です!
【3軒目】売物件: 一見キレイだが…、湿気に注意な戸建て
3軒目は、西可児駅から車で約10分の住宅団地にある4DKの、駐車場付き戸建てです。
もはや恒例となった外観チェックから。外壁はトタンですが、ところどころ錆がひどく、塗り直しで修繕できるか厳しいレベルのようです。また、土地の形状的に、建物に水が流れやすい懸念が指摘されていました。
屋内は、全体的に床がふわふわしており、外観チェックで感じたとおり、湿気が溜まりやすい土地である可能性が感じられます。2階に上がると、松久保社長から「窓の外についている手摺がガタガタしている」との指摘が。手摺がついているのは基礎の柱に当たる位置であり、目視確認は難しいものの、手で触ってみると柱の部分が腐食していることが感じ取れました。
屋内外の状態から総合的に判断して、この物件は下地や基礎材の傷みが進行している可能性が高く、修繕リスクが大きいと考えられます。そのため、買付入れない方がベターという結論になりました。一見するとキレイな物件であり、表面的に外観と内観を見ただけでは気づきにくい欠陥です。修繕リスクの奥深さと、その見極めの難しさを感じた物件でした。
【4軒目】完成物件: 想定家賃から1万円アップで入居者がついた平屋
見学を予定していたのは売物件のみでしたが、急遽、完成物件の見学ができることになり、可児市から多治見市へ向かいました。多治見駅から少し離れだけで、道路沿いにはほとんど家もお店もなく、正直なところ「本当にこの場所で賃貸がつくの…?」と不安に感じてしまうくらいの田舎です。
多治見駅から車で15分程進んでいくと、住宅団地のなかに対象物件である平屋が現れました。外壁がブラックで塗装されていて、スタイリッシュな印象。屋内は、木目と淡いブルーの壁で統一されており、シンプルながらも洗練されたおしゃれさがあります。
2LDKに加えて納戸があり、平屋ながら広さも十分です。もともとキッチンと居間の間にあった壁は、取り払われてLDKに変更されています。LDKは、入居希望者が内覧にきて最初に目にする部屋のため、リフォームでもとくに力を入れているとのこと。使い勝手のよいキッチンの配置、細部までこだわった塗装、そして「こんな暮らしがしたい!」と思わせるステージングなど、いたるところに工夫がなされていました。
物件価格が220万円で、リフォーム費用が350万円。当初、想定家賃は5.8万円で考えていたそうです。しかし、リフォームで想定以上のバリューアップができたことから、家賃6.8万円の(表面利回14%以上)というチャレンジングな金額で募集を開始。コロナ禍で引越し需要は鈍化していたものの、9月に入って問合せが急増し、無事に入居者が決定しました!
「空き家・古家物件見学ツアーin可児・多治見」の締め括りは参加者全員で1日のおさらい
ツアーの締め括りは、今回の売物件を紹介してくれた仲介業者さんの事務所をお借りして、1日の振り返りです。今回見学した3軒のうち、1軒目と3軒目は修繕リスクが大きいことから、買付対象とするのは2軒目のみとなりました。
2軒目について、森古家再生士Ⓡからリフォーム内容と費用の詳細説明がなされます。古家再生投資プランナーⓇからも、「ここはどうなりますか?」と各自が気になる箇所の確認が入り、みな真剣です。最終的に、2人から買付希望の手が挙がりました。2人以上の希望者がいる場合は、恒例のじゃんけんタイムへ。
みごと勝利をつかみ取った古家再生投資プランナーⓇさん、おめでとうございます!再生前でも十分に素敵な物件であるため、再生リフォームによってさらにどんなバリューアップがなされるのか、とても楽しみです!
可児・多治見エリアの物件は「空き家・古家物件見学ツアーin可児・多治見」へ!
この記事を読んで「可児・多治見ツアーが気になる!」「可児・多治見エリアの物件を見てみたい!」と興味を抱いた方は、ぜひ、空き家・古家物件見学ツアーin可児・多治見にお越しください!
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POST: 2020.11.16