【2017年度版】大阪府の空き家バンクの現状を解説

そもそも空き家バンクって何?

空き家バンクは、全国各都道府県にできた空き家となっている物件を有効に使うことで人口の増加や定住者の獲得を目指してできたシステムです。

空き家バンクとは、

  •  空き家の管理に困っている持ち主と、
  • 興味のある市町村に安くで住んでみたいという借主を

効率よく結びつけるために市町村の自治体などが主体となってサービスを広げてきました。

なぜ?空き家が注目されるのか?

空き家は、人目がなくなる事で治安の悪化を招いたり、壊れたり草が生え放題になるなどの環境的な問題など、いろいろな問題を引き起こします。

空き家が放置される理由

何故、空き家が放置されるのか?という事についてですが、

  • 空き家の解体にも多額の費用がかかったり、
  • 税制上土地に建物がある方が優遇され税金が安くなる事もあり、

持ち主が、空き家のまま放置することが珍しくありません。

空き家=住めない程古い(ボロボロ)ではない。

もちろん、住めない程の古い空き家もありますが、多少手を入れれば十分居住可能な空き家も多くあります。むしろそちらの方が多いとも思います。

この空き家を活用することで、住む人は安い家賃や手数料で家を借りる事が出来るし、貸す人は誰かに住んでもらうことで管理の必要がなくなるし収入を得る事ができます。

これがいわゆる空き家の活用です。

空き家の活用は、貸し主・借り主どちらにもメリットがある。

双方にとって大きなメリットとなる空き家の活用(空き家バンクの活用)は、当初、田舎の過疎化を防ぐ手立てとして考えられました。

大阪府は、関西一の都市なので、現状を知らない人達からは、そういった空き家問題とは縁が薄いように感じられていますが、大阪府でも地方都市は、人口減少などが顕著になってきています。

また、空き家率も全国に比べて高く推移してきており、治安維持の面からも空き家の解消には積極的に取り組む必要があります。

そのため、大阪府でも空家バンク制度を設けて各自治体が積極的にサービスを提供しています。

高槻市や河内長野など比較的便利な市に加えて、人口減少に歯止めをかけたい岬町などの小さな町村にも空き家バンクサービスがあります。

高槻市 空き家バンク制度

河内長野市 空き家バンク制度

岬町 空き家バンク制度

高槻市では、樫田地区を主に取り扱っています。

定住を希望する子育て世代の移住希望者を誘致し、地区の人口の高齢化の流れを変えたいとの想いがあるようです。

空き家は、賃貸だけでなく、売買での契約も可能となっており、空き家を持っている人と空き家に住みたい人双方の希望にかなう事が出来るよう取り組んでいます。

空き家バンク制度の問題点

空き家バンクで空き家を借りる場合、不動産屋などの仲介はなくあくまでも所有者と利用者の間で直接やり取りする必要があります。

そのため、不動産屋で家を借りる時のように決まった契約書にサインするだけの気軽な物とは異なります。

また、家賃などの金銭面から、修繕の必要が出てきた時にどちらの負担で行うかなども決めておく必要があります。

要は、貸す側・借りる側のどちらから見ても手間がかかります。
この直接交渉の難しさが空き家バンクの難点ともいわれています。

でも、双方を紹介するだけでなく、空き家の改修費用の補助などの政策も充実

問題点を説明しましたが、空き家バンク制度では、双方を紹介するだけでなく、空き家の改修費用の補助などの政策も充実しており、住み始める人がより心地よく住む環境を作ったり、負担が少なくなるような配慮も用意はされてはいます。

高槻市を例に紹介すると、高槻市では、親子孫3世代同居の推進も行っています。故に、そのための改修費用へも補助金が用意されています。

河内長野市でも同じように定住者を獲得し、地域の若返りや活性化を図る目的で、市民が所有している空き家を活用しようと空き家バンク制度を創設しました。

市に貸したい人が登録し、市がホームページなどで告知や募集を行うことで多くの人が情報を目にする事が出来、借りたい人も情報を得やすくなっています。

市は、空き家の持ち主と借りたい人をつなぎ、売買や賃貸の契約を結ぶ事も促進していますが、マイホーム借り上げ制度も用意されています。

マイホーム借り上げ制度とは、移住・住みかえ支援機構という団体が、シニア世代の家を借上げて転貸し、安定した賃料収入を保証するもので、仕事を退職した人が生まれ故郷へ帰る際に住んでいた家が空き家になってしまうのを防ぐ役割を果たします。

でも、なかなか思う程の成果を得られない空き家バンク制度

各自治体とも空き家バンク制度に加えてさまざまな制度を併用して定住者を募っており、ある程度の成功例はありますが、なかなか思うほどの成果は得られていない。というのが現状です。

なぜ、思う程の成果を得られていないのか?
それは、やっぱり交渉に関する煩わしさだと思います。

各自治体によって、交渉方法は違いますが、ほとんどの自治体は紹介業務だけしか行わない当事者間の直接交渉が前提となっています。

直接交渉はお互いで賃貸や売買に関する事を話しあわなくてはならないので、非常にハードルの高いものがあります。

また、交渉を仲介してくれる宅地建物取引業者の登録も募集して、仲介者を紹介して間接交渉を進めてくれる自治体もありますが、自治体の紹介と言う事が一つの安心材料であるわりに、借りるとなったら手を引いてしまう自治体の姿勢に物足りなさを感じる人も多いようです。

もちろん、不動産屋などの仲介業者が入る事は安心にも繋がりますし、余計な雑務を任せられる便利さもあります。

さらに、いざ、トラブルが発生した時も、自分で貸主といちいち交渉する必要がなく、仲介業者に連絡をすれば良いので、気が楽です。

しかし、自治体が保証をしてくれるような気になる空き家バンク制度が、実は紹介だけであとは何も関与してくれないと言うのは残念に思われても致し方ありません。

せっかくの制度が十分に活用されているとは言い難い現状を考えると、改善をしていかなくてはならない制度であると言えるでしょう。

最後に・・・

もし、この記事を読まれている方で、空き家をお持ちの方で空き家バンクに登録を考えておられる方がいらっしゃいましたら是非、一度当協議会にご相談ください。

空き家バンクとは違った、空き家の活用方法でしっかりサポートいたします。


POST: 2017.04.12