こんにちは、(一社)全国古家再生推進協議会の認定サポーターであり、古家再生投資プランナーⓇである女性投資家Mです。
空き家・古家物件見学ツアーの密着レポート、5回目の今回は大阪南部の「阪和エリア」です。
阪和ツアーは、約1年半前、私が当協議会の一般会員としてはじめて参加した物件見学ツアーです。当時は、机上の知識だけはつけてきたものの、実際に空き家や古家再生を目にするのははじめてで、森下古家再生士Ⓡを質問攻めにしていたような気がします。
そんな当時を懐かしみつつ、今回は2020年11月21日(土)に開催された「空き家・古家物件見学ツアーin阪和」を密着取材させていただきましたので、当日の様子を紹介したいと思います!
阪和エリアの概要については、先日の記事にまとめておりますので、「阪和ってどんなところ?」と気になる人は、こちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
▼阪和エリアの紹介記事はこちら
目次
「空き家・古家物件見学ツアーin阪和」スタートは南海「尾崎駅」から
阪和ツアーの集合場所は、大阪府南部の阪南市にある南海本線「尾崎駅」です。
当日は、主催の森下古家再生士Ⓡと古家再生投資プランナーⓇの男性5名、そしてサポートの山口古家再生士Ⓡと取材担当の私という、計8名のツアーでした。
集合場所で、ツアーのルール確認を行い、物件の概要資料をもらいます。今回訪問する物件は、売物件3軒と、完成物件1件の計4軒です。阪和ツアーの対象エリアは泉州地域の12市町村にまたがっており、今回は南の阪南市から5市を跨いで北上した泉大津市までの移動が予定されています。
【1軒目】売物件:105㎡の土地に建つ泉南市の戸建て
1軒目は南海・JRの各最寄り駅から徒歩20分強、ブロック塀に囲まれた4DKの戸建てです。駐車場はありませんが、周辺も駐車場なしの家が多く、近くの月極め駐車場を利用しているようです。
物件は、庭の木が生茂っており、外観がわかりづらい状態です。庭木は手入れが大変であること、越境してしまうと隣家とのトラブルの芽になることから、基本的にはリフォーム時に切ってしまいます。しかし、庭木の趣や、入居者にとっては外からの目隠しにもなることから、どこまで伐採するかの判断は難しい部分でもあります。
一階は、LDKに変更することで、広々としそうです。脱衣場はあるものの、洗面台でスペースが圧迫されて狭狭しいため、快適さ向上のためには間取り変更を考えたい場所です。
続いて2階は、2つの特長がありました。一つは窓のサッシ、もうひとつはベランダです。
窓は木製サッシがついていましたが、木製は外気を通しやすいことから、アルミサッシに変更する必要があります。実際に、先輩プランナーさんの物件でも、木サッシによる寒さで退去になってしまった例があったそうです。はたから見たら木サッシってレトロで良いですが、退去にまでつながると思うと、こわいですね。。
ベランダは、防水機能が失われており、一階の天井に雨染みができていました。前の家主さんが雨漏りを止めようとしたのか、ベランダにはモルタルが塗られ、努力の後がうかがえる状態です。しかし、トップコートがなく、このままでは防水が機能しません。どうしてこの状態でやめてしまったのか謎ですが、いずれにしてもリフォームが必要です。
なお、この物件のトイレは汲取りでした。阪和エリアは汲取り物件も多く見られます。地域一帯が汲取りであれば、変更せずとも賃貸がつく可能性もありますが、家賃相場は1万円ほど安くなり、入居までに時間を要する懸念があります。そのため、過去の再生実績では、すべて下水への切り替えを行っています。
下水の切り替え工事にまとまった費用がかかるものの、比較的家の状態がよく、広さがあって、近隣も住宅が多い場所であることから、再生対象としての可能性を感じる物件です。
【2軒目】売物件: 最寄り駅から徒歩5分! 貝塚市の駅近戸建て
2軒目は築46年の3DK、旗竿地に建つ戸建てです。
鍵の到着を待っている間に、外観チェックをしていると…、外壁がえぐれていました。60cm角くらいの範囲で外壁が浮いており、色が変わっています。ちょっと叩いたら、ボコッととれそうです。なかなか衝撃的な状態ですが、腐食している部分を除去して左官することによって、しっかり再生できるそうです。
外壁のダメージに対して、一階は床をリフォームしたのか、比較的キレイな状態。懸念点は脱衣場がないことです。脱衣場は入居者からのニーズが強い設備であるため、新設できるように間取り変更したい部分です。
一方の2階は、壁も畳も昔のまま放置されてきたようで、「ザ・空き家」という様相。壁や畳の傷みが激しい状態です。経年劣化で微動だにしない木の雨戸がはまった窓の向こうには、藻が繁殖したベランダが。11月下旬にも関わらず、青々とした藻が生えているのは、湿気が多いからとのこと。ベランダの排水が機能していないと思われます。
また、この物件は、ツアー時点では境界情報がなく、接道2m以上あるか確認できないため、再建築不可の可能性があるという前提で見学しました。投資判断には、再建築不可のリスクを考慮し、表面利回りが15%とれる想定でみることがベターな物件です。
【3軒目】売物件: レトロな雰囲気のある泉大津市の平屋
3軒目は最寄り駅から徒歩6分、延べ床面積60㎡弱の平屋戸建てを見学しました。
玄関に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、大きく陥没した上がり框(かまち)。自分の体重で床が抜けてしまわないか、不安になります。玄関から恐る恐る中に進んでいくと、床だけでなく天井も一部もげおり、総じてなかなかのボロボロ感…。全体的に白蟻被害を受けている可能性が高く、床のリフォーム以外に白蟻を除去するための工事が必要なようです。
窓の位置が高く、天井が低いところや、作り付けの棚が多いところなど、古い物件ならではの造りをしています。トイレは現状汲み取りのため、下水切替のリフォームが必要になります。
しかし、昭和レトロな硝子や、タイルの洗面台など、所々に趣を感じさせるものがあり、再生したら素敵な物件に生まれ変わりそうな雰囲気を感じます。洗面台は残すか難しいポイントです。万人受けを狙うなら、独立洗面台を新設すべきですが、残したらコアなファンを獲得できそうな気もします。
工事費はかなりかかりそうですが、個人的にはときめき物件でした♡
【4軒目】完成物件:気持ちが明るくなる、和泉市の3DK戸建て
最後は、今回のツアーに参加している古家再生投資プランナーⓇさんが所有する、完成物件を見学しました。ご夫婦ともにプランナーであり、この物件は奥様からのご要望で「お母さんがイライラしない家」というコンセプトで再生を行ったそうです。素敵なコンセプトですね!
玄関をはいってすぐの部屋は、黒色だった木部がパステルグリーンで塗装されており、明るく柔らかい雰囲気。他ではなかなか見ないデザインで、可愛いです。襖の縁も、木目に変更されています。細部への心配りが全体の素敵な雰囲気につながっています。
膝頭がドアに当たりそうだったトイレは、背面の壁を後退させて、広々とした空間に変身していました。壁の棚や、台付きトイレットペーパーホルダーなど、入居者の暮らしやすさが向上する工夫がなされています。さらに、DKの一部を間取り変更して、脱衣場と室内洗濯機置き場が新設されています。
この物件は購入価格330万円、 リフォーム費用が170万円で取得されており、募集家賃が5.5万円なので、表面利回り13.2%の見込みです。
「空き家・古家物件見学ツアーin阪和」の締め括りは参加者全員で1日のおさらい
ツアーの最後は、1日のおさらいのため森下古家再生士Ⓡの事務所へ。再生物件を事務所にされているということで、訪れるのを楽しみにしていたのですが、その再生物件とはなんと…、私が初ツアーで見学した元空き家でした!時の流れと、すっかり変身した家の様相に、感慨深いものがあります。空き家の状態で訪れた物件に、再生後に訪れることができるのも、物件見学ツアーの楽しみのひとつですね。
今回は売物件3軒のうち、1軒目に買付が入りました!2軒目は再建可否がわからないことと間取りが難しいこと、3軒目はリフォーム費用がかなり大きいことから難しかったようです。1軒目の買付が無事に通ることを祈ります!
おさらい後は希望者で、森下さんイチオシの中華屋さんへ。他のプランナーさんたちと情報交換したり、森下さんと山口さんの再生士さん同士の掛け合いが見られたりと、楽しい食事会でした。ちなみに、この食事会場は、いまや阪和ツアーの定番となりつつありますが、とにかくインパクト大のお店です。詳細は割愛しますが、阪和ツアーにお越しの際は、ぜひ楽しみにしてください!
阪和エリアの物件は「空き家・古家物件見学ツアーin阪和」へ!
この記事を読んで「阪和ツアーが気になる!」「阪和エリアの物件を見てみたい!」と興味を抱いた方は、ぜひ、空き家・古家物件見学ツアーin阪和にお越しください!
▼空き家・古家物件見学ツアーの申込はこちら
空き家・古家物件見学ツアーに参加するためには古家再生投資プランナーⓇ登録が必要です。
▼古家再生投資プランナーⓇ登録の申込はこちら
POST: 2020.12.31